乳幼児期から老年期までの人の一生の発達を軸に、個人/社会、適応/不適応などの観点を組み合わせ、「こころ」について深く学びます。4年間を通じ、現代の諸問題を読み解く力や、実践・援助する方法を身につけていきます。
心理学専修の特徴
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『恋愛と結婚の心理学』『災害復興の心理学』『いじめ・不登校の心理学』『創造性の心理学』など、身の回りの気になるテーマを扱った専門科目を多数用意しています。
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フリースクールや社会福祉施設、地域コミュニティなど、教員が携わってきた施設や活動の現場で、交流と体験を通して学びを深める授業やゼミが展開されています。
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心理学の基礎となる脳や神経のメカニズム、研究に必要な実験・調査の手法、心を支えるカウンセリングの理論と技法など、心理学全般をしっかりと学べます。
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学部4年間+和光大学大学院(修士課程)2年間で公認心理師(国家資格)の受験資格が取得可能です。国家試験に向けた学習を丁寧にバックアップします。
※公認心理師取得プログラムの希望者は、3年次になるときに10名を上限に選抜があります。
4年間の学び
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1年次
多方面から「こころ」を捉えよう
複雑な「こころ」を理解するために、自然科学と社会科学の両面から多角的にアプローチしていきます。身近なテーマを扱った専門科目と関連づけながら興味深く学ぶことができます。
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2年次
研究法を身につけて実践へ
目に見えない「こころ」の分析に必要となる、統計法、アンケート調査、インタビュー調査、心理学実験などのスキルを1~3年次の間に習得し、自分のテーマで研究を展開する準備をします。
3年次
心理学を社会につなげて考える
現代の日本では、いじめ、うつ、自殺、虐待、高齢者の孤立など、心の問題が社会問題にもなっています。幅広い世代に視野を広げ、心理学の立場から何ができるか考えてみましょう。
4年次
心理実習と卒業論文に力を注ぐ
公認心理師をめざす学生は、不登校児童生徒のサポート活動や精神科医療の見学を通して支援の現場を学びます。また、4年間の集大成として卒業論文をまとめ上げます。
CROSS TALK
熊谷 楓さん 心理教育学科 心理学専修 3年(神奈川県 金沢総合高等学校 卒)
熊上 崇 先生 心理教育学科教授(専門:心理的アセスメント ほか)-
きっかけは人がなぜそう思うのか知りたくて
次はこころと「環境」の関係も探ってみようあの頃のモヤモヤが晴れていった
熊谷 高校では部活の部長をしていました。楽しい思い出もいっぱいありますが、葛藤もあって・・・。みんな多感な時期だったし、その言動を受け止める立場だったので。なぜそう考えるのか、人の言葉や行動の奥にあるものを知りたいと思うようになりました。
熊上 それで心理学を学んでみようと?
熊谷 はい。実はオープンキャンパスの個別相談は、熊上先生とお話をしたんですよ。
熊上 へぇ、そうだった?
熊谷 和光大学には心理学のいろいろな専門分野の先生がいて、身近なテーマを扱う授業がたくさん受けられると聞いて、おもしろそうだなと思いました。
熊上 心理学を学んで、高校生の頃の疑問は解決した?
熊谷 そうですね。『青年心理学』の授業は、まさに当時の私のモヤモヤに対し、答え合わせをするような感覚でした。
熊上 ほう。 -
「場」をつくることも心理学の実践
熊谷 1年次から『○○心理学』と名のつく科目を積極的に取りましたが、熊上先生の『災害復興の心理学』は、心理学の捉え方が変わるような授業でした。
熊上 ベースにあるのは、コミュニティ心理学の考え方です。東日本大震災では津波で多くの家が流されました。仮設住宅の頃は、大変でも人の交流があったのに、復興団地ができると元々あった地縁が薄れ、孤立やアルコール依存が問題になった話をしましたね。孤独を抱えた人をカウンセリングで治せるかというと、それも大事ですが、むしろ声がけとか茶飲みとか、支え合いのしくみが必要だと私は考えます。
熊谷 周囲の環境に働きかけることで、人の心のありようを変えていくこともできると知りました。それが『障害者・障害児心理学』の授業と結び付き、現在ゼミで「車椅子での公共交通移動」を考えるきっかけになったんです。
熊上 学生たちが企画した当事者の方の講演会は、学内外から反響がありましたね。
熊谷 はい。障がいがあるからといって移動が制限されたり、普通に移動したいと思うことがわがままと言われたりする社会は悲しいですよね。外に出るって心の健康と深く関わっていると思うんです。復興住宅での孤立もそうですし、コロナ禍を経験した自分としても。
熊上 そうやってともに考える場をつくり社会に働きかけたり、語り合う場をつくって人の心をラクにしたり、「場」をつくることも心理学の実践です。 -
私のチャレンジ!実践的な学びのカタチ
『講演会』での気づきを卒業論文へ発展
熊上先生が主宰する「障害・共生社会研究会」では、2023年10月に私たち学生が中心となって、『障害がある人もない人も 共に生きる社会 伊是名夏子(いぜな なつこ)さん講演会』を実施しました。
伊是名さんは、「骨形成不全症」という骨の弱い先天性の障がいのため、電動車椅子を使用して生活をされています。沖縄生まれの沖縄育ち、早稲田大学卒業後、香川大学大学院を修了。2人のお子さんのお母さんであり、コラムニストとして活躍しながら、「障害者は助けてもらうのではなく、お互いに助け合う存在」をテーマに全国で講演をされています。私は、伊是名さんの経験を伺い、日本の交通機関のバリアフリー化の現状に問題意識を持ち、卒業論文のテーマとして考察しています。
研究(卒業論文)テーマ例
- ・中学生の頃に目撃した夫婦喧嘩をどう感じたか?―当時と現在(大学生)の比較を通して―
- ・視覚障害学生の援助要請時における促進・抑制要因に関する研究―大学生および高校生へのインタビュー調査から-
- ・完全主義傾向および評価への恐れが就業動機に与える影響
- ・大学生における自尊感情の変動性が日常的な出来事と友人関係に及ぼす影響
取得できる資格
- ・公認心理師 ※1
- ・認定心理士
- ・社会教育主事(社会教育士) ※2
- ・社会福祉主事 ※3
- ・児童指導員
- ・図書館司書
- ・博物館学芸員
※1:学部で法定25科目に相当する科目を履修の上、法定10科目に相当する科目を履修できる大学院への進学が必要です。
※2:社会教育主事課程を修了することにより「社会教育士(養成課程)」の称号を得ることができます。
※3:厚生労働大臣が指定する私目のうち3つ以上を履修して卒業した場合に取得可能です。大学認定プログラム
- 和光大学独自のプログラムとして、3つのプログラムがあります。 地域・流域プログラム ジェンダー・スタディーズ・プログラム言語研修プログラム