公認心理師の必須科目を履修でき、高度な専門職の養成を行います。
国家資格「公認心理師」を取得し、心理援助の専門的職業人として社会に貢献できる人材や、心理学および周辺領域に関する深い造詣と高度な研究能力を有し、現代社会における諸問題について研究を遂行していくことのできる人材育成をめざします。また、公認心理師資格などを目的とせずに心理学を深く学びたいという方も受け入れます。
コースの特色
POINT 1 各分野・領域で高い専門性を持った教員が充実
自殺予防、児童福祉、不登校者支援など公認心理師が活躍する分野・領域について専門的な研究や豊富な経験を持つ教員がそろっています。
POINT 2 幅広く豊富な実習と丁寧な実習指導
【実習内容】
・大学内の不登校者支援実習
教員によるスーパーヴィジョンや定期的なケース報告会を通してアセスメントや支援のあり方について理解を深めます。
・児童精神科や精神障害者支援施設、少年鑑別所などでの実習
POINT 3 国家試験までしっかりサポート
・公認心理師国家試験対策に特化した科目『公認心理師特論』を開講
出題傾向を踏まえて、合格に向けて必要な内容を学びます。
※臨床発達心理士、学校心理士の受験資格も取得することができます。
※和光大学大学院心理学専攻では、公認心理師をめざさず、自身が関心のあるテーマについて心理学的研究を行っていきたい方も受け入れています。
・公認心理師資格を有する教員による指導
それぞれの担当科目のなかで、出題基準・内容を意識して取り上げることで、試験においても実践においても役に立つ知識を修得できるよう指導します。
取得をめざせる資格
- ・公認心理師※1
- ・臨床発達心理士※2
- ・学校心理士※2
- ※1 学部の単位要件を満たしている者に限る。資格要件を在学中に満たすことにより受験可能。
- ※2 それぞれの資格要件を在学中もしくは修了後に追加として満たすことにより受験可能。
院生VOICE
竹下 せいらさん(修士課程1年)
(相模女子大学 人間社会学部 人間心理学科 2024年3月卒業)
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行動の変数を解き明かしたい。
大学院に進学しようと思った理由は二つあります。一つは、公認心理師資格を取得し、心理学の知識をさらに普及させたいと思ったからです。大学入学時は、心理職として働くことを想定していなかったのですが、心理学を学んでいくなかで、私自身がその知識に助けられた経験がありました。「生物(Bio)・心理(Psycho)・社会(Social)モデル(BPSモデル)」といって、健康状態や精神疾患などについて「生物」「心理」「社会」の3つの側面から包括的に理解するためのものなのですが、就職か大学院進学か、すごく悩んでいた時期に、このモデルを使って自分の要因や背景を評価すると、「なるほど」と思えて心が軽くなったんです。現代は、生きづらさを抱える人が増加傾向にあると言われていますよね。社会の中で、心理学の知識を応用できる人が増えれば、生きづらさを和らげ、よりよい社会を実現できるのではないかと思いました。
二つ目は、学部時代にやり残した研究があったからです。学部4年生の時、卒業論文で性行動や避妊行動に関するテーマを選んだのですが、色々な事情からアンケート調査が難しく、別のテーマで執筆することになりました。変更後のテーマでも、卒論をやりきったという充実感はありましたが、どうしても、もともと関心のあった分野を研究したいという思いが強くなっていきました。なぜこの分野に関心を持ったかというと、友人たちと避妊の話題になった時、「大切だと分かっていても、自分からパートナーには言いづらい」と言う人が多いことに驚きました。避妊の重要性を認識していても非実行となる場合には、媒介する要因があるのではないかという疑問が、私の研究の出発点でした。 -
和光に決めた理由。
進学すると決めた後、複数の大学院の研究室訪問を行いました。先行研究の少ない分野でもあるので、大学院選びにあたっては、指導教員の専攻分野とマッチするか、研究計画が遂行できるか、ということが一番のポイントでした。和光の先生は、私の研究計画に強く共感してくださり、研究室訪問の際にもさまざまなアドバイスをいただきました。また、教員と学生が分け隔てなく、お互いの研究を尊重する雰囲気も自分に合っていると感じ、和光に決めました。和光には、青年期の避妊行動について研究していた修了生もいたので、親近感があったという理由もあります。
内部進学者が多いのかなと、初めは心配でしたが、すぐに打ち解けられましたし、ほとんどの授業で院生自身に発表や進行が任されているので、距離は自然と縮まると思います。私の学年は、半数ほどが他大学からの入学者ですね。ちなみに、学部生時代には発表や討論の経験があまりなく、苦手意識があったのですが、苦手なんて言っていられないくらい場数をこなすチャンスがあるので、受験を迷われている方がいたら是非挑戦してほしいです。
和光の院生は、皆、学習意欲が高いので、自分のモチベーションになっています。今後は、実習や公認心理師試験対策も始まり忙しくなると思いますが、研究の集大成である修士論文に全力を傾けたいと思います。
近藤 純佳さん(修士課程2年)
(和光大学 現代人間学部 心理教育学科 2023年3月卒業)
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子どもをフォローする人の力になりたい。
もともと心理職に就きたいと考えていたので、公認心理師資格を取得するため、学部1年生の時から大学院進学を意識していました。学部の時に在籍した児童心理学を専門にする教員のゼミでは、学校領域や児童福祉領域を中心とした子どもの心の傷つきと、支援のあり方について学びました。フリースクールに通う児童・生徒との交流や、児童相談所や子ども家庭支援センターで働く方からお話を伺う機会が多かったですね。その中で、自分の関心が「子ども」から、「教員や親など、子どもをフォローする大人」へと移り変わっていき、卒業論文は「ADHD(注意欠如・多動症)の児童と関わる教員への支援」をテーマにし、小学校で働いている先生方にインタビュー調査を行いました。「大学時代は学ぶ機会が少なく、現場で経験を重ね、実践していった。」と言う先生が多く、発達障がいについては社会的認知が高まっているものの、支援・教育方法に悩んでいる先生はまだまだ多いことが分かり、何かの形で力になりたいと思いました。
大学院進学後は、不登校の子をもつ親についての研究を進め、修了後は、療育センターで心理士として働くことが決まっています。「子どもをフォローする人を支える」と言っても、施設や企業はさまざまあるわけですが、この分野に進みたいと思ったのは実習がきっかけでした。和光では、M2(修士課程2年次)で5分野(医療、福祉、教育、司法、産業)全て、それぞれ実習先で実習を行います。福祉分野で私が実習に行ったのは、児童発達支援と放課後等デイサービスを運営している支援機関でした。そこで、未就学児と初めて関わったんです。発話が遅れているお子さんがいて、言葉ではコミュニケーションはとれないのですが、一生懸命伝えようとする姿を見て、成長する姿を親御さんと一緒に見られたらどんなに嬉しいだろうと思い、療育分野に決めました。 -
和光ならではの経験。
修士論文では、不登校の子をもつ母親について研究していたのですが、指導教員のインタビュー調査に同行させてもらった経験が、後に卒業論文や研究を進める際にも非常に役立ちました。インタビュー調査は、単に「会話の流れで話をたくさん聞けばよい」というものではなく、面接技法があるので綿密な準備が必要ですし、相手の発言に基づいた質問をしていって、発言や表情、身振りなどから探索する力もすごく大事なんです。学部時代の経験が、大学院の研究にも活かされていると感じます。
和光には適応支援室「いぐお~る」(※)が設置されていて、実は学部生の時から学生スタッフとしてお子さんと関わり、親御さんとの面接も担当していました。もちろん指導教員の監督の下ですが、一人の学生がここまで任せてもらえるというのはなかなかないことで、貴重な経験だと思います。
また、和光の大学院は少人数なので自然と仲間ができますし、大学院の授業は、学部時代とは量的にも質的にも全く異なるものなので、授業準備や資料探しなど、一緒に乗り越える仲間がいるのは心強かったです。
(※)適応支援室「いぐお~る」は、町田市周辺で不登校や登校しぶりのある小学生・中学生(小学5年生から中学3年生まで)を対象に、和光大学内で大学生・大学院生と交流をしてもらう活動。交流を通して、安心感を得たり、人との関わりの楽しさを再確認してもらうことを目的としています。国家資格「公認心理師」の取得を目指す大学院生の実習の場でもあります。
心理実習センター
修了生VOICE
小野 健太さん(地方公務員[心理職])
(和光大学 大学院心理学専攻 2024年3月修了、和光大学 現代人間学部 心理教育学科 2022年3月卒業)
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心理のプロとして働く「基礎体力」は大学院で培われた。
もともと心理学に興味があり、特に子どもの心理や発達に関心がありました。「学校で反抗的な態度をとってしまう子どもの心の中はどうなっているのだろう?」という純粋な関心が出発点でした。大学で学ぶなかで、より専門性を高め、悩みを抱える人に寄り添うことで社会に貢献したいという気持ちが明確になりました。ちょうど心理職の国家資格「公認心理師」が新設されたことも大きな転機で、大学院への進学を意識するようになりました。
大学院進学にあたって、他の大学院も検討しましたが、和光に決めた理由は二つあります。一つは、学部時代から指導を受けてきた先生と一緒に、自分の研究を掘り下げられる環境が魅力的だったことです。もう一つは、和光ならではの実習スタイルです。学内にある適応支援室「いぐお~る」では、一人の子どもと長期的に関わることができます。子どもの発達特性や発達のプロセスを丁寧に見守ることができ、「子どもの心と発達にじっくり向き合いたい」と考えていた私にとっては、とても理想的な環境でした。
週1回の「いぐお~る」での実習は、順風満帆というわけではありませんでした。「支援しなければ」という気持ちが先走り、知識や理論だけで関わろうとして、うまくいかない時期もありました。その視点を変えてくれたのが、先生や同期からの「ここは実習のための場所ではなく、まず『子どものための居場所』なんだよ」という言葉です。緊張が解けた瞬間でした。支援者として構えるのではなく、その子にとってよい環境とは何かを主体的に考える力が身に着いたと思います。和光の大学院では、先生も院生も立場を超えて率直な意見を交換でき、互いを高め合える風土があります。
現在、心理職として相談や心理検査など、地域の子どもに対する支援に関わっていますが、困難な場面に直面した時、いつも立ち返るのは、大学院で得た学びと経験です。それは、専門職としての「基礎体力」と言えるものだと感じています。 -
和光大学大学院への進学を検討している方へ。
専門性を深めるのと同時に「幅広い視野を身につけたい」と思っている人には、和光大学大学院をお勧めしたいですね。和光には、その両方を実現できる環境があります。
「いぐお~る」の実習は、M2(修士課程2年次)の院生が中心となって運営するので、担当する子どもとの関わりはもちろん、準備段階のミーティングから、活動後の事例共有まで、チームで「場」を動かしていく経験を積むことができます。毎週、教員や仲間の院生から多角的なフィードバックを受けて実践を振り返り、次に繋げていくという、この「トライアンドエラー」は自分を大きく成長させてくれたと思います。
心理職として働いていて痛感するのは、一人のカウンセラーとしてではなく、組織の一員として対応する力の重要性です。さまざまな立場・部署のスタッフと連携して支援にあたることが多いので、協働する姿勢が求められますし、マイペースに動いていては、支援が成り立たなくなってしまうため、一歩引いて冷静に状況を観察する視点も大切ですね。こういった力は一朝一夕に身に着くものではなく、「いぐお~る」での長期的な経験によって養われたと感じています。
また、人の心に寄り添うためには、心理学の知識だけでなく、幅広い知見を持つことも重要だと考えています。マンガやアニメといった「好きなこと」が、子どもとの信頼関係を築くきっかけになることもあります。和光は、表現学部、経済経営学部という他学部生との交流も盛んです。ジェンダーや芸術、サブカルチャーなど、さまざまな専門性を深めている学生とのコミュニケーションは、視野を広げるためにもとても勉強になりました。専門性を豊かにする体験が、和光にはあると思います。
修了後の進路
主に、医療(病院などの医療施設)、福祉(児童相談所や障害者福祉施設など)、教育(学校)、司法(裁判所や司法施設)、産業(企業)の分野で心理検査や心理療法、療育支援、発達相談などを担う仕事に就くことが想定されます。
