大学概要

教育理念

ダイヤモンドのような本物の光を放つ大学を作りたい

 和光大学は1933年に成城学園から分かれ、父母や教師を中心とした有志によって東京・世田谷に建てられた和光学園を母体とし、1966年に創立された大学です。

 成城学園の創立者である澤柳政太郎博士(1865年〜1927年)は、大正期に開花した「自由教育」の理論的指導者で、教育の理想は人間の「個性的独創の無限の進展」を助けることにあると説きました。和光学園はこの精神を継承しています。

 和光大学の初代学長である梅根悟(1903年〜1980年)は、日本の教育史学の確立者の一人であるとともに、大学制度に関する研究の第一人者でもありました。梅根先生は、和光大学の創立にあたり、「これだけ数ある私立大学のなかに、もうひとつ大学を作るからには、小さくてもいいからダイヤモンドのような本物の光を放つ大学を作りたい」と述べ、その理念を力強く明示しました。

 そして、第一にうたったのは、「大学は自由な研究と学習の共同体」ということです。大学は何よりもまず学術研究の場であり、そこにおいてのみ大学教育は可能であるとし、徹底した研究と教育の自由の尊重を説いたのです。また、「大学は学問の自由という理念に基礎づけられた研究者の集団であり、そこで自由で創造的な学術の研究が共同して行なわれているということが、第一義的な存在理由」であること、「単なる目先の実利実用、功利性だけにとらわれない基礎的な研究が活発におこなわれる場」であること、「大学の生命は研究者としての教師」であることを強調しました。

 開学以来、和光大学に各学問の研究分野や社会的な活動分野の第一線で活躍している教師が数多く在籍するのは、こうした梅根学長の基本理念に依るところが大きいのです。

時代の変化とともに移りゆく大学という場のあり方

 近年になって大学は、教育と学習の場であることにいっそう重点が置かれるようになりました。

 和光大学でもこの流れを重視し、既存の学部や学科の改組転換を重ね、現在は3学部6学科で構成されています。しかし、プロゼミやゼミなどの「少人数教育」の実施や、「総合的知性」および「総合的教養」の重視、多岐にわたり細分化された「専門性」と「総合性」との両立などは、開学以来引き継がれている基本的原則です。

 その実現のために和光大学では、自由と個性の尊重を掲げ、学生の学習の自由意志を尊重しています。具体的には授業の「大幅な選択の自由」が挙げられます。自由履修科目の幅が広く、他学部・他学科の科目も履修することができるのです。
 これは、学生が自分自身の目で見つけた研究テーマについて、多面的にアプローチしながら絞り込んでいくことを可能にする制度です。高校生活までの決められたスケジュールから解放され、最初は戸惑う学生もいます。しかし、この選択の自由は、自己の責任において自分の道を選択するという、人生において大切な目や姿勢を養う場でもあるのです。自由を大切にしながら厳しく学問を探究する時、大学は理想的な研究の場となります。

 和光大学では学生一人ひとりに独自の個性、能力、可能性が潜んでいると信じています。それを最大限に目覚めさせ、社会に巣立つときには、何かひとつでも自信となるものを培える場であることをめざしています。

 これは、大学が一部のエリートのものだけでなく、多くの人々が大学進学している状況だからこそ、より重要なことでもあるのです。