芸術は、一部の閉ざされた人のものと考えられがちですが、実は社会と密接に関係しています。美術やデザインという文化の一端から、作品を発表し、伝えるためには、幅広い教養と表現技術の修練が必要となります。芸術学科では、「制作」「批評」「企画」「編集」と、表現に関連するさまざまな手段・手法を学ぶことで、社会に貢献できる文化人を育てることを目的としています。
芸術学科の特徴
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アート、デザイン、プランニング3系統のコースから自由に学ぶ カリキュラムはアート系、デザイン系、プランニング系の3つの系統で構成されていて、そのあいだの行き来は自由。学生は3系統の科目を自由に組み合わせ、さまざまな芸術をひと通り体験した上で、その中から自分の好きな分野をめざすことができます。
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フィールドワークでアートデザインの現場へ 入学直後に大学近郊でのフィールドワーク(原則全員参加)があり、ここで気の合う仲間を見つけることができます。また、希望者は長期休暇を活かして国内外 のフィールドワークにも参加が可能です(経費別途)。近年では、ヨーロッパ各地で現代芸術の刺激に触れるなどの体験学習を行いました。
※フィールドワークの訪問先・実習先は、学科・年度で異なります。 -
豊富な学内外展覧会 ホワイトギャラリー、パレストラ体育館への大きな通路=ホワイエ(下図)、図書・情報館内の梅根記念室など多くの展示空間を学内に常備し、ゼミ展などに活用しています。学外での展覧会も多く、大学周辺の環境と芸術作品が出会う「サトヤマアートサンポ」は地域から好評を得ています。
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幅広い知識と豊かな教養を身につける 作品を生みだすという行為は、自分の持っている知識や経験をつなぎ合わせ、組み立てていく作業です。持っている知識や経験がたくさんあるほどクリエイティブの幅は広がります。芸術学科の学生は、学科での専門的な学びと同時に、講義バイキングを通してさまざまな学問領域に触れることで、創造力を養うことができます。
4年間の学び
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1年次
芸術への理解を深める
「作品鑑賞」「レポートの書き方」「プレゼンテーション」「PCリテラシー」「レイアウトデザイン」などを広く学びます。各系統の教員が専門分野を紹介し、実技や講義を通じて「アート、デザインとは何か」を考えます。さらに静物・人物などのデッサンを通じ、将来の表現や分析に必要な観察力・描写力を培います。
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2年次
専門性を高める
3つの系から専門性を追究。アート系では絵画、版画、立体造形、写真などの実技、デザイン系ではPCスキルを習得、プランニング系では講義やワークショップを通じてさまざまな作品への鑑識眼を養成。専門分野を横断的に学び、その成果は表現活動の軌跡として2年次からポートフォリオにまとめます。
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3年次
ゼミナールでの学びを強化
専門性を高める2年次からの学びを継続しつつ、ゼミナールでの学びを強化。ゼミナールは2年次より3つの系から選択可能。実技系のゼミナールは、学内の展示室や学外で積極的に作品を発表。プランニング系のゼミナールは、雑誌の編集や展示の企画、作品鑑賞・批評を重ねます。
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4年次
4 年間の集大成へ
卒業制作は、ゼミナール指導教員のもと、自分の表現や考え方をまとめていきます。ジャンルを問わず、“自分にしかできない”卒業制作や卒業論文を制作・執筆。2月頃にギャラリーや美術館で発表します。展覧会場計画、企画、広報、カタログ制作まで学生が行い、鑑賞者の視点を考えた展示や運営も経験します。
学生VOICE
妹尾 春那 さん 芸術学科 3年(神奈川県・シュタイナー学園高等部 卒)
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自分で学びとる力も、人に頼る力も身につけられます。
さまざまな分野を幅広く学びたいと思い、初めは総合文化学科に入りました。1年次はとにかく面白そうだと思える科目を取っていましたが、2年次になると、自分の興味のテーマが「文学やアニメーション作品の分析」「情報系」「心理学系」にあることに気づき、芸術学科への転科を考えるようになりました。アニメーション部に入部して、自分で動画を制作するようになったこともきっかけのひとつでした。3年次に転科してからは、自分だけ教わっていないことも多く大変なこともありましたが、そのおかげで、いちから自分で調べたり、人に話を聞きに行ったり、以前はあまり積極的にできなかったことができるようになりました。アート系の学生たちとともにアイデアを出し合い、学食に対話型プロジェクトの作品を展開したり、ゼミやCG授業、サークルでの実践などを通じ、みんなの考えを取り入れながら自分の表現を形にしていくことができるようになってきました。そうした経験の中で身につけてきた一つひとつを、点から線につなげることで、これから自分らしい映像作品づくりができたらと思います。
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発案から実行・運営まで学生主体で活動。企画力や実行力も磨かれる。
「芸術の実践」では、社会とアート・芸術に関する企画を考え実行するために、受講生全員でディスカッションやプレゼンテーションを行います。その中から今回採用されたのが、「和光生さま告白相談室」という私の案です。総合文化学科の講義で、中世ヨーロッパの社会背景や、教会の懺悔室で自らの罪を告白する「告解」について学んだことをヒントに発案。学生が感じる罪や行為を語ってもらうことで、自分自身に向き合う機会をつくるとともに、告白の内容から何らかの社会的な影響も探れるのではないかと考えました。それは、当たり前だと思っている日常を見つめ直し、新たな気づきや発見を促すというアート・芸術の位置づけとよく似ています。懺悔室を模した部屋づくり、宣伝ポスターの制作なども受講生で担当。想像以上に相談者があり、大きな達成感も得られました。
下山 美羽 さん 芸術学科 3年(青森県・弘前実業高等学校 卒)
研究(卒業論文・卒業制作)テーマ例
- ・さきおとついの咀嚼(絵画)
- ・夢絵日記(絵画)
- ・ConceptCar“C”(立体·プロダクト)
- ・インスタレーション福永武彦『草の花』
- ・体験型グラフィックデザイン「名紋」(インスタレーション)
- ・inside you(写真)
- ・私的ねずみの月世界旅行(映像)
- ・カタチカルタ(デザイン)
- ・Memorial box YOMUYOMU(デザイン)
- ・isokko(製本)
- ・インクルーシブデザインを意識した特殊絵本
「おさんぽヌコさん」(製本)
取得できる資格
- ・中学校教諭一種(美術)
- ・高等学校教諭一種(美術)
- ・学校図書館司書教諭
- ・図書館司書
- ・博物館学芸員
- ・社会教育主事(社会教育士)※1
- ・社会福祉主事 ※2
※1:社会教育主事課程を修了することにより「社会教育土(養成課程)」の称号を得ることができます。
※2:厚生労働大臣が指定する科目のうち3つ以上を履修して卒業した場合に取得可能です。
大学認定プログラム
- 和光大学独自のプログラムとして、3つのプログラムがあります。 地域・流域プログラム ジェンダー・スタディーズ・プログラム言語研修プログラム