お知らせ
総合文化学科・遠藤朋之先生が翻訳を手がけた詩人 城戸朱理さん英訳詩選集『Names and Rivers』について続報
2023年9月19日
昨年からblogでお知らせしている、総合文化学科・遠藤朋之先生が翻訳を手がけた詩人 城戸朱理さん英訳詩選集『Names and Rivers』について、遠藤先生から続報が届きました!
すでに昨年秋からこの欄に連投している城戸朱理さんの英訳詩集、 Names and Rivers。ピュリツッアー賞受賞詩人の Forrest Gander とエンドウが英訳した詩集、これに関して、またもや報告すべき件がある。というのも、アリゾナ大学 (University of Arizona) の The American Literary Translation Association (ALTA) が主催するNational Translation Award in Poetry (NTA) の候補に選ばれたからだ。
https://literarytranslators.wordpress.com/2023/09/01/announcing-the-longlists-for-the-2023-national-translation-awards-in-poetry-and-prose/
この賞は散文と詩の翻訳に与えられる賞なので、詩部門は散文部門の下にあるので、上記のアドレスをかなり下がらないと出てこないが、確認してほしい。
7月半ばには出版社の Copper Canyon から候補に選ばれたことを聞いていたが、候補作品発表の9月1日(日本時間では9月2日)まで口外することないよう禁じられていたので、この時期になってから「和光ブログ」へと投稿することにした。
さてこの賞、1998年に創設されたが、アメリカでは翻訳に焦点を当て、さらに適格者が翻訳の原典との齟齬を確認して賞を与える唯一の賞である。相当に審査が厳しい、と言っていいだろう。そこで本書にどのような評価がくだされるか、こちらとしては楽しみである。また、エンドウの授業を受けている学生であればわかるだろうが、翻訳とは訳される先の言語で詩として屹立させねばならないので、しばしば原典を離れる。本書においても、そのようなことは、共訳者のフォレストと意識的に行ってきた。そこを審査員がどう読んでくれるか、こちらも楽しみである。
また、授業でもたまに言うのだが、良い詩人は賞など必要としていない。賞がその価値を保つために良い詩人を必要としているのだ(これは、ビート詩人のアレン・ギンスバーグのことば)。2016年のノーベル文学賞授賞式に、受賞者であるはずのボブ・ディランが現れず、パティ・スミスが代役として "A Hard Rain's A-Gonna Fall" を歌ったことからもわかるだろう(とはいえ、スミスのパフォーマンスは感涙ものだった!)。
さて本書、現在は "longlist" (第一次候補、とでも言うべきか?)の12冊に名を連ねている。それから "shortlist" (最終候補、本賞では3冊)が10月12日に発表になるとのこと。さて、どうなることやら。こちらができることは何もないので、ゆったりと行方を見守りたい。そして結果はこのブログへと投稿するつもりである。
総合文化学科教員:遠藤朋之
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