お知らせ
総合文化学科・遠藤朋之先生が詩人 城戸朱理さん英訳詩選集『Names and Rivers』の翻訳を手がけました
2022年11月1日
総合文化学科・遠藤朋之先生が詩人 城戸朱理さんの英訳詩選集『Names and Rivers』の翻訳を手がけました。
遠藤先生からメッセージが届いています。
城戸朱理詩集 Names and Rivers 刊行なる!
総合文化学科教員 遠藤朋之
ここ3年ほどかかりっきりになっていた日本の詩人城戸朱理さんの英訳詩選集、 Names and Rivers が、9月20日にやっと刊行になった。出版元は Copper Canyon Press、この出版社は、ノーベル文学賞受賞詩人であるチェズワフ・ミワシュや、先年亡くなったアメリカの大詩人、W. S. マーウィンなどの詩集を手がける詩専門のアメリカの出版社である。共訳者はフォレスト・ガンダーさん。2019年のピューリッツァー賞受賞詩人だ。エンドウはすでに、2009年に出版された白石かず子さんの英訳詩集、My Floating Mother, City に、フォレストとの共訳の長詩を3篇掲載しており、その縁もあり、今回の城戸さんの詩集の共訳者になってもらった。
この詩集、刊行から1ヶ月ほどで、すでに3つの書評が日米で英語で出ており(Action Books、Poetry Foundation、Metropolis Japan)、好評を集めている。この詩集に収められた詩は、すでに、ハーヴァード大学のHarvard Review、ボストン大学の Agni、そしてアメリカの詩の雑誌で最も重要な、エズラ・パウンドがイマジズム運動を展開した Poetry を含む9つの詩の雑誌(ネット雑誌を含む)に掲載されており、それはすでにこのホームページで伝えた。
この詩集の詩作品の選択であるが、城戸さんの9冊の詩集、そして2冊の分厚い詩論集を熟読し、それでも、どうしても詩の選択ができなかったので、城戸さんにお願いした。そこで城戸さんが30篇を選択、そのうち18篇をエンドウが選択、訳出、そしてフォレストとの数百通にも及ぶメールのやり取りで出来上がった詩集である。Action Books の書評には、 "It is a call to see everything as everything (あらゆるものをそのものとして見る呼びかけである)" という、こちらが意図していたコンセプトそのものを書いてくれた好意的な評もあり、非常にうれしく思っている。
また、和光生よ、この詩集の表紙を飾る写真は、旧文学科卒業の小野田桂子さんの手によるものだ。いらない説明ではあるが、この写真、木の葉と泡を写したのではない。木の葉と泡が写真に写ることによって、普段は見えることのない透明な水が逆に可視化されているのだ。
この詩集に興味を持った和光生よ、エンドウの研究室へと来るべし。
Copper Canyon Press Webサイト
Names and Rivers
Shuri Kido, Tomoyuki Endo, Forrest Gander
https://www.coppercanyonpress.org/books/names-and-rivers-by-shuri-kido-tomoyuki-endo-trans-forrest-gander-trans/