お知らせ
授業「映画論1」にて、映画「祝の島(ほうりのしま)」の纐纈(はなぶさ)あや監督による特別講義が行われました
2023年6月28日
総合文化学科専門科目「映画論1」(小林茂先生担当)は、映画とは何か、そのしくみ、撮影方法、映画の要素、動機、過程、光と影、編集など、実際の映画を見ることにより理解していく授業です。小林茂先生が監督された映画の講義もあります。
今回、授業では、纐纈(はなぶさ)監督のドキュメンタリ―映画「祝の島」(2010年公開)が取り上げられ、6月29日(木)には纐纈監督を和光大学にお招きし、特別講義が行われました。
*映画「祝の島」は、瀬戸内海に浮かぶ山口県上関町祝島を舞台に、上関原子力発電所建設に反対し続ける島民の暮らしを映し撮った映画。
▲映画「祝の島」より
▲特別講義をされる纐纈監督(左)と授業担当の小林茂先生(右)
【纐纈監督の特別講義レポート】
映画「祝の島」は、纐纈監督の初監督作品で、2010年に公開されました。現在ではドキュメンタリー映画は様々なジャンルに広がり幅広いものになっていますが、当時は社会派というイメージが強くありました。
纐纈監督は映画を専門に学んできたわけではなく、2001年ポレポレタイム社に入社し、映画制作に携わっていきます。その中で「アレクセイと泉」というドキュメンタリー作品の配給に関わったことが、その後、映画製作、映画監督の道へつながります。
1982年に瀬戸内海(山口県)の一画に上関原子力発電所建設計画があがります。監督は原発建設に反対する祝島の島民と出会い、ともに原発反対デモに参加します。そこには島民の方々の暮らしがあり、懐かしさを覚えたという監督。しかし一方で、テレビで映される原発反対運動の島民の方々の様子を目にし、そこに自分の知っている島民の姿はなかった・・。そこから「何に反対しているのか、ではなく、何を大切にしようとしているのか。」それを知りたいと思ったそうです。
これが、ドキュメンタリー映画を撮ろうと思ったきっかけだったとのことです。
撮影時にも多大な苦労や困難や気づきがあったことを講義され、ドキュメンタリー映画の存在意義について考えさせられました。特別講義後は、グループワークで話し合い、学生からも多くの質問や意見が出されました。