保育士・幼稚園教員を養成するコースです。心理教育学科の特長を生かし、保育についてはもちろん、心理学や教育学の知識を身につけ、子どもの思いを受け止められる保育者となることをめざします。
子ども教育専修 保育コース(幼児教育課程)の特徴
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幼稚園教諭一種免許と保育士資格を同時取得 幼稚園教諭一種免許と保育士資格を卒業と同時に取得可能。保育士資格を取得すると、乳児院や養護施設などにも就職でき、心理の学びを活かすことができます。
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1年次からの現場体験で子ども理解を深める 本格的な実習の前に、和光幼稚園や地域保育施設に出掛けて子どもたちと関わり、観察したことを学びにフィードバックし、時間をかけて子ども理解を進めていきます。
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子どもの気持ちを受容する心理学の学び 保育だけでなく、心理学の知識や技法を学ぶことにより、子どもとその背景にある状況を踏まえて、子どもの気持ちを受容し、支援できる保育者をめざすことができます。
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小規模だからできるきめ細かなサポート体制 小規模なコースならではの丁寧な指導が特長です。中でもピアノは未経験者でもレベルに合わせたレッスンで本格的な実習までに楽しく伴奏ができるようになります。
4年間の学び
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1年次
早期に保育の現場から感じ取る
和光幼稚園などで子どもとの触れ合いを体験。子どもや保育者の姿から得た気づきを大学での学びに活かします。年度末には1・2年合同「実技発表会」でリズムや歌などの学びの成果を公開します。
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2年次
子どもの発達に理解を深めながら保育の実践的スキルを高めていく
乳幼児の成長発達と保育者の役割について理解を深めます。自分で実習園を決めて『保育インターンシップ』を行うほか、音楽・造形・言語のスキルを高め、「実技発表会」では劇作品を披露します。
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3年次
4年次実習を重ね、卒業論文に取り組む
保育士資格取得の要件として、3年次には保育所と施設、4年次には保育所(または施設)にて各12日(90時間)以上の実習を、また幼稚園教員免許取得の要件として、4年次に幼稚園にて3週間、計4回の実習を行います。3年次からは専門ゼミに所属し、各自の研究テーマで子どもや保育について探究。4年次には卒業論文にまとめ上げることを通して、学び続ける保育者へと成長します。
CROSS TALK
渡辺 絢子 さん 心理教育学科 子ども教育専修 保育コース 4年(東京都 小川高等学校 卒)
韓 仁愛 先生 心理教育学科准教授(専門:保育学 子育て支援 ほか)
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もっと視野の広い保育者になりたい
きっと大切なのは真摯な関わり方知らないことはこわいと知った
韓 渡辺さんの入学時はコロナ禍で、オンライン授業から始まり、大変でしたよね。
渡辺 でも和光大学には講義バイキングがあるので、いろいろな科目を履修できて、オンライン授業も興味津々でした。
韓 例えば、どんな科目ですか?
渡辺 一つは、「ジェンダー」についてです。最近よく見聞きするので気になってはいたのですが、実際に学んでみると、私自身も「女性らしさ」や「男性らしさ」について、思い込みや偏見がありました。もしかすると無意識のうちに誰かを差別していたかもしれないと気づき、知らないということはこわいと反省しました。
韓 そうですね。正しいジェンダー意識を持っていることは、保育者としても大事なことだと思います。
渡辺 保育に限定せず、新しい知識を学んでみて、自分でも保育の視野が広がった気がします。 -
伝わる「伝え方」がきっとある
渡辺 もう一つは「障がい」についてです。特に発達障がいに関心を持ち、3年次の施設実習の際には、自分で学んでみたい児童発達支援センターを調べて実習をさせていただきました。
韓 授業と実習がつながり、学びが深まったのではないですか?
渡辺 障がい児のことを勉強してから、子どもとの関わり方には、声かけなどの言葉だけでなく、視覚的に伝える方法があると知っていましたが、実習先でも「外に行くよ」というときなどに、イラスト付きのカードを目の前に見せていました。
韓 最近は発達障がいという診断を受けていないまま、幼稚園や保育園に通っている子どもも多くなっています。その意味では実習を通して子どもに伝わりやすい掲示や働きかけを体験することは大事ですね。
渡辺 はい。その後の幼稚園実習では、もう一つ気づいたことがありました。子どもには少し複雑な鬼ごっこをしたんですが、ルールが難しかったようで、最初は子どもたちに伝わらなかったんです。でもわからないと決めつけず、図を描いて説明したら、今度はちゃんと伝わりました。障がいの有無に関わらず、子どもが理解できるように工夫して説明することが必要だと実感できました。
韓 健常児でも、障がい児でも、大人でも、同じく皆、人として尊厳をもっています。保育の基本は相手にどう真摯に向き合っていけるか。保育は人に対する根本的な姿勢が問われる仕事だと思うんですよ。 -
私のチャレンジ!実践的な学びのカタチ
自分で実習先を決めて取り組む『実習』
保育コースでは計4回の実習を行いますが、いずれも自分で候補を挙げ、大学に橋渡しをしていただいて実習先が決定します。そのため事前によく調べて選ぶので、実習先で学び取りたい目的を明確に持って実習ができます。また、園の保育方針なども理解して臨むことができるのです。
4年次の幼稚園実習は、私の母園で行いました。園では先生方が何をするにも楽しんでいて、そうした特徴は今も変わらずにありました。常に笑顔で子どもに接し、注意を促す時にも子どもに考えさせる問いかけをしていて、私が子どもの頃に包まれていた安心感の理由がわかった気がしました。卒業後の就職先も母園に決まり、今度は私が子どもにとって信頼できる保育者になれるよう努めたいと思います。

研究(卒業論文)テーマ例
- ・ごっこ遊びが広がるおままごとコーナーの環境構成とは
- ・多文化家庭の親子に関する現状と課題
- ・絵本の読み聞かせにおける他者との共感
- ・韓国ドラマに描かれるマイノリティの存在
- ・人気サンリオキャラクターの分析
- ・発達障害があるきょうだいがいる大学生の感情
- ・保育者のジェンダー観と子どものジェンダー規範形成との関係
―保育者へのアンケート調査より-
取得できる資格
- ・幼稚園教諭一種
- ・保育士
- ・小学校教諭一種 ※1
- ・図書館司書
- ・博物館学芸員
- ・学校図書館司書教諭 ※1
- ・社会教育主事(社会教育士) ※2
- ・社会福祉主事 ※3
- ・児童指導員
※1:4年間で取得することはきわめて困難です。
※2:社会教育主事課程を修了することにより「社会教育士(養成課程)」の称号を得ることができます。
※3:厚生労働大臣が指定する科目のうち3つ以上を履修して卒業した場合に取得可能です。