身近な自然から学ぶこと

身近な自然から学ぶこと

ACTION 2 環境保全サークル「かわ道楽」

村松 将至さん

経済経営学部 経営学科 3年(茨城県・ルネサンス高等学校卒)

山菜を天ぷらにして食べた衝撃

かわ道楽は、ストイックに環境保全活動だけをしている団体ではありません。足もとにある森や川、動植物を見つめ、知り、守る。ときには、食べる。自然とともに時間を過ごしながら、自分たちも楽しむことを大切にしています。そもそも、私がこのサークルに参加したきっかけも、そうした“自然を身近に引き寄せ、楽しむスタンス”に惹かれたことでした。それは入学登録のあと、学内を散歩していたら中庭で集まっている人たちがいたので、気になって声をかけてみたことが始まり。その場で仲良くなりました。さらに、野草にくわしい先輩たちが大学の敷地内にある林へハリギリの芽(山菜)を摘みに行き、それを天ぷらにしてくれたので、みんなで食べたのです。そんな体験はなかったので驚きましたし、とにかく楽しかった。自然を知るだけではなく、食を通して楽しむ。そんな体験ができることが魅力的で、このサークルに加入しました。

足もとの自然こそ、生物多様性

かわ道楽の主な活動には、二つの柱があります。一つは大学周辺の自然に入り、生物の多様性を豊かにする環境づくりをすることです。大学敷地内にある逢坂山で笹刈りや間伐をして、それをまとめ、土砂の流出防止と山の保水力を高めるためにカントリーヘッジを作る活動を行っています。また、逢坂山や他のエリアで毎年、絶滅が危惧される植物の個体数を確認し、植生調査を行っています。大学近くの鶴見川では定期的に生物調査を行っています。その活動は大学の学生研究助成金を受け、毎年論文としてまとめています。もう一つの柱は、地域住民や行政、NPOとの協働や交流です。大学近隣の岡上地域で行われる納涼祭やどんど焼といったイベントに、準備段階から参加したり、鶴見川源流ネットワークと協力して親子向けの川遊びのイベントを行ったり、和光大学の職員、川崎市と共同で、川の自然や地域の総合治水対策を学ぶ講座の補助をするといった活動をしています。言葉で説明すると硬派で生真面目な印象を持たれてしまうかもしれませんが、活動の中にはたくさんの楽しみも詰まっています。その辺りは、ぜひ体験しにきてください。

足もとの自然こそ、生物多様性

環境問題って、遠くの話じゃない

私がかわ道楽を通じて発見したことは、自然へのまなざしかもしれません。私たちの生活圏の、まさに足元に流れている川にもたくさんの生物が生きています。生活と自然はとても近くにあり、環境問題とか環境保全はどこか遠くの場所で起こっているわけではないものだとわかりました。水害対策をするために地道な活動をしている人たちもいれば、住宅街のすぐ隣にある自然を守ろうとしている人もいます。生活という視点の中で、これまで目に入らなかった生き物たちに気づき、興味を持つようになりました。また地域の大人や子どもたちと世代を超えてコミュニケーションすることも良い経験になっています。川の楽しさや怖さを知らない人に説明したり、手助けをすることは、将来どこかで役に立つと思っています。
2020年は、かわ道楽としてこれまでのような活動はできませんでした。そうした中でも、オンラインを活用するなど工夫して、活動を途切れないようにしていきたいと考えています。