2023年3月27日
経営学科の當間ゼミ(基本経営学)が、2023年3月9日から3月16日までの日程で台湾合宿を行い、ワークショップに参加して学生たちが研究発表と交流をしました。
當間先生と学生たちから報告が届きましたので、ご紹介します。
ゼミナール活動報告(2022 年度):台湾合宿
―異国間の大学生交流を通じて学んだこと―
経済経営学部 経営学科
ゼミナール(基本経営学)
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2023年3月9日から3月16日(7泊8日)の日程で,当ゼミナールの学生8名と台湾へ合宿(フィールドワーク)に行ってきました。2019年度以降,新型コロナ感染症(COVID-19)期間を挟んでの第5回目の試みとなります。ここにご報告いたします。 |
【フィールドワークの概要】
和光大学の参加者は,経済経営学部経営学科(当ゼミナール)の3年次生である新井友菜(アライユウナ),河原怜央(カワハラレオ),新垣陽太(シンガキヨウタ),杉山諒馬(スギヤマリョウマ),髙田康平(タカタコウヘイ),髙橋日々喜(タカハシヒビキ),水野雅章(ミズノマサアキ),そして2年次生である藤井徹太(フジイテッタ)の8名の学生と指導教授である當間政義の合計9名でした。
今回,当ゼミナールのフィールドワークにご協力いただきました台湾の大学は3校です。新生医護管専科学校(桃園市・蘇曉妮先生),弘光科技大学(台中市・涂聖忠先生),東方設計大学(高雄市・黄佳慧先生,何孟穎先生)です。加えて,当ゼミナールのフィールドワークに日本の他大学(羽衣国際大学現代社会学部)の池田玲子教授にもご協力を賜り,池田教授のゼミナール学生3年次生の西谷真奔(ニシタニマホン),根來久詞(ネゴロヒサシ),渡邊明大(ワタナベハルト)の3名が参加することとなりました。
今回の目的は,台湾の弘光科技大学(3月10日),東方設計大学(3月11日),新生医護管専科学校(3月13日)へ訪問し,参加学生の発表と学生交流です。当初予定しておりました建国科技大学(彰化市)での発表と学生交流は予定を変更し中止としました。理由としては,日本へ入国する際に,コロナワクチンの予防接種が日程的に間に合わなかった学生のために現地の病院でPCR検査を受けなければならず,検査の実施(3月14日)と検査結果の証明書を受け取り(3月15日)という2日間を要する為でした。
【学生による発表と国際交流】
当ゼミナール所属の学生たちと台湾の大学の学生との交流について記していきます。
まず,当ゼミナール3の受講生を中心に,所属の学生たちで「海外で研究発表を行うとしたらどんなテーマが良いのだろうか?」という疑問を投げ,学生同士で話し合って決めることとしました。その結果,台湾では,"日本の紹介"と "e-sports"の2点に絞られ,これらを報告のテーマとしました。
"日本の文化"担当班は,3年次生の髙田康平と2年次生の藤井徹太の2名が担当となり,日本の伝統,遊び,食事,地理などについて調べてPowerPointで資料を作成し発表しました。
"e-Sports"担当班は,3年次生の新井友菜,河原怜央,新垣陽太,杉山諒馬,髙橋日々喜そして水野雅章の6名が担当となり,"e-sports"の概念,歴史,日本・アジア・世界各国の状況そして金融規模などについて調べてPowerPointで資料を作成し発表しました。
弘光科技大学(台中市)では,"日本の文化"と"e-Sports"の発表を行いました。その後,台湾の学生による学内施設見学と近隣の夜市で交流を行いました。
東方設計大学(高雄市)では,芸術系デザインの観点から,SDGs体験学習と台湾の基幹産業の見学を行いました。前者は廃棄物の対象となるガラス瓶を再利用してコップに作り替えるリサイクル体験学習です。後者は製糖工場の見学で,これから資料館として整備する前段階の歴史的な機械や工場内施設等を見学しました。
新生医護管専科学校(桃園市)では,"日本の文化"と"e-Sports"の発表を行いました。その後,台湾人学生による"台湾の文化"の発表が行われ,全体を通じた意見交換としての交流を行いました。

弘光科技大学(台中市)

東方設計大学(高雄市)

新生医護管専科学校(桃園市)
【フィールドワークを通じての感想】
最後に,2022年度「ゼミナール2・3(基本経営学)」の学生が,今回のフィールドワークに参加し体験した感想について記していきたいと思います。
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新井友菜:台湾の合宿で学んだ事としては,何といっても異国の人々との交流です。大学での発表は,外国人の大学生を相手にどうしたら伝わり易いか,気持ちの伝え方を改めて考えさせられる体験でした。自ら取り組んだe-sportsは1番最初の発表者であったため,非常に緊張しました。また,SDGs体験学習では,空き瓶でグラスを作るというリサイクルの体験学習で,廃棄対象となる空き瓶でコップ作る楽しさを知りました。台湾の学生たちと話したり,一緒に,食事したり,夜市に出かけたり......等,普段では経験出来ない事が非常に多く体験することが出来てとても貴重な事でした。何よりも今回の合宿で学んだことは,言語が異なるにもかかわらず,意思の疎通がとれることが学べたことです。台湾の学生たちが,私たち日本人学生に対して,一生懸命になっていろいろと説明をしてくれたり,教えてくれたり,調べてくれたりするなどの様子を見ていると,日本人が忘れかけていた"おもてなし"を再度,考える良いきっかけとなりました。新生医護管専科学校の学生たちは,日本の学生1人1人に対して、日本語で歓迎の言葉を手紙に書いて渡してくれたことはとても感激したことを今でも覚えています。 |
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河原怜央:台湾のフィールドワークの学習で学んだことは,何といっても日本との文化の違いを体感したことです。違いを感じたのは,次の通り大きく3つあります。1つ目は,「食」文化の違いです。台湾では,日本と比べ物にならない程,料理のメニューの品数が多いと感じました。2つ目は,気候(気温)の違いです。日本との時差は1時間であるにも関わらず,全く持って気候(気温)が違ったように感じました。3つ目は,言語の違いです。もちろん台湾は日本にとっては外国です。そのため,言語が異なることは当然です。自分の知り得る英語を駆使しましたが,伝えたい意図が上手く伝わらない部分も多くありました。これらの違いが生じることを学んだことで,外国に対する考え方やイメージについて,今一度,考え直す契機となりました。様々な事柄に対して,学習する必要性と意欲が湧いてきました。また,私は,「食」に関して興味があり,市街地や夜市へ出かけたとき,日系企業の飲食店の看板を見かけると,飲食産業や企業の海外進出を考える良い契機となりました。 |
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新垣陽太:今回の台湾の合宿で感じたことは,自分が担当したテーマでもある"e-sports"について,日本と比較して,非常に進んでいたことです。加えて,現地の学生は,中国語以外にも英語会話ができる学生が非常に多く,中には日本語会話ができたりする学生もいました。日本人は日本語だけ......という場合が多いように感じる自分ですが,様々な言語で会話ができる様子は,日本人の外国語(会話)に対する意識が,他の国々と比較して,非常に低いのではないかと思いました。今回の経験から,特に,語学(会話)について学習する意欲が出てきました。次回,このフィールドワークへ参加することを目標にして,英語や中国語等を少しでも会話ができるよう勉強していきたいと考えています。今回のフィールドワークでは,語学学習の重要性を知る良い機会となりました。 |
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杉山諒馬:台湾の大学で,最初に驚いたのは話せる言語の多さでした。日本人である私たち学生が,日本語しか話せないのに対して,台湾人の学生たちは,中国語や英語の会話ができる学生たちが非常に多く,中には日本語も話せるといった3カ国の言語を話せる人もいました。私自身も日本語しか話せない恥ずかしさを痛感しました。これから他の言語を少しずつ話せるように語学の学習に力を入れていく必要性に気づく機会となりました。加えて,フィールドワークはあくまで学習であり,グループ(団体)行動が基本です。グループの中で,自分の役割として,自分自身が気づいた点は周知することや自分が率先してグループを引っ張っていく,協力と協調を十二分に考えたリーダーシップのあり方を学んだ良いきっかけとなりました。以上が学べたことが,今回のフィールドワークで得られた「経験から学ぶこと」が,自分にとっての大きな財産となりました。 |
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髙田康平:私は,台湾でのフィールドワークを通して学んだ事は,コミュニケーションの重要性です。台湾の学生たちは英語や日本語がとても堪能で,性格もオープンな雰囲気があり,言語やツール等のコミュニケーション能力が非常に高いレベルで持ち合わせている学生たちであると感じました。これらのスキルは,これから自分が社会で生きていく中で,将来,重要になると思います。しかしながら,自分自身はこのスキルが現時点で非常に未熟であることを痛感させられました。今後,自分の向上心とともに,これまでの自分の生活と学習する態度を反省するとともに,コミュニケーション能力や外国語(会話)の習得のモチベーションが得られた素晴らしい機会になりました。 |
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髙橋日々喜:私は,今回のフィールドワーク(台湾合宿)で学んだことは,何よりも日本と台湾の文化の違いについてでした。今回,台北・台中・高雄の3つのエリアの大学を中心に訪問しましたが,同じアジア圏の国であり,しかも比較的親日国でもあると感じる台湾においても,社会のマナーの差であったり,食文化の違いであったり,様々な場面で日本との違いを感じました。もちろんこれらの文化やマナーだけではありません。台湾に住む人々も,日本人とは全く違った習慣があることに非常に興味を持ちました。特に人柄というか他人に対する気遣いについて,自分がいかに今まで日本という狭い世界の中で生きてきたのだろうかということを痛感しました。世界は広く,そして興味深いことがたくさんあるという発見を今回の合宿では得ることができました。今後,自分の学びを考え直す良い機会に恵まれたと考えています。 |
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水野雅章:今回の台湾のフィールドワークで1番感じたことは,台湾の学生たちが,とても親切で優しい学生たちが多かったことを感じたことでした。発表で訪れた大学の学生たちが夜市を一緒に案内してくれたり,台湾で有名な料理やお菓子,美味しいお店などを調べて丁寧に教えてくれました。非常に心温まる人たちであったと感謝しています。また,他にも自分は非常に貴重な経験をしました。初日に宿泊したホテルに忘れ物をしました。外国(台湾)で忘れ物をし,再び手にすることは不可能であると思っていました。台湾の先生方の協力があって,探し物は見つかり,そして自分の元へ戻ってきました。非常に感激する経験でした。その反面,自分自身の危機意識の低さが問題を引き起こすことを学びました。日本での学生生活や私生活も同様に,危機意識を常に持つ必要性を学んだ良い機会となりました。 |
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藤井徹太:私が台湾で学んだことは,台湾の学生たちはデジタル対応の高さです。DX時代への適応力は,同じ大学生であるにもかかわらず,日本の大学生の自分よりもはるかに高いと感じました。また,日本と比較すると,台湾はe-sportsに対する価値観が違うと思いました。日本ではまだ良くないイメージが強いe-sportsですが,台湾ではe-sportsについて肯定的な意見が多かったことが感じられました。デジタル社会になった現在,パソコンに触れる機会が増えるので私は良いことだと思います。そして,台湾に行ってたくさんの学生たちが英語と中国語を併用して使えることに感心しました。日本で生活をしていれば,日本語だけで生活ができますが,海外と連携をとるためには使える語学を少なからず増やすべきだと感じました。これらの点は,台湾に来なくては気づかなかった様に思います。帰国後,自分はどのようにスキルアップを行うか,将来をよく考えて学びの行動に移そうと思っています。 |
以上が参加された学生たちの感想です。
今回,お世話になりました新生医護管専科学校(蘇曉妮先生)・弘光科技大学(涂聖忠先生)・東方設計大学(黄佳慧先生,何孟穎先生)とは,"次回は,日本と台湾の学生たちが意見を出し合うワークショップを開催してはどうか......?"という提案もありました。
次年度(2023年度)は,経済経営学部経営学科の授業科目「フィールドワーク:台湾のビジネス・デザイン探索とツーリズム」(當間担当)という科目の設置し,今回訪問できなかった台湾の大学,例えば,建国科技大学(彰化市・林忠明先生)への訪問と交流も含め,学生たちの交流とワークショップを行っていくことで,参加された先生方と合意いたしました。
今後,積極的に台湾の大学において,和光大学の学生たちの発表と交流を行っていきます。その際には,また報告させていただきます。
(記:経営学科 教授 當間政義)