お知らせ
人間科学科・杉浦郁子先生 共著『「地方」と性的マイノリティ』が出版されました
2022年11月28日
人間科学科の杉浦郁子先生が、福島大学 前川直哉先生と共同で執筆した『「地方」と性的マイノリティ 東北6県のインタビューから』が出版されました。
杉浦先生は2019年度にサバティカル(研究休暇)を取得し仙台に居住して、東北地方の性的マイノリティ団体の代表者などにインタビューを行い、多彩な活動を記録してきました。
今回、その成果を出版することになりましたので、皆さま是非お手にとってご覧ください。
また、インタビューの詳細は報告書(2021年2月)にまとめ、 そのほとんどを以下のWebサイトで公開しています。
L-archives 東北地方の性的マイノリティ団体 活動調査報告書
https://l-archives.jp/tohoku-activist/
東京大学 REDDY
http://www.reddy.e.u-tokyo.ac.jp/act/sexual_and_gender_minorities.html#20210301
「地方」と性的マイノリティ 東北6県のインタビューから
【紹介】※青弓社 書籍紹介ページから引用
「進んでいる東京/遅れている地方」は本当なのだろうか。
日本の性的マイノリティと「地方」を研究テーマとする初の書籍。
全国でおこなわれている「同性婚」訴訟や自治体のパートナーシップ認定制度、差別禁止を目的とした法整備に関する議論など、性的マイノリティをめぐる社会的な動きは近年ますます活性化している。
活性化した背景には、当事者が中心になり立ち上げた勉強会や交流会、セミナーやシンポジウム、政策提言、プライドパレードなど、 さまざまな団体が長年おこなってきた市民運動がある。そうした活動は東京などの大都市が中心と見られ、「地方は遅れている」という一面的な見方をされる場合も多いが、はたして本当にそうだろうか。実際に地方で活動する性的マイノリティ団体のスタッフたちは、地域性や自分たちの活動をどのように考えているのだろうか。
東北6県の19団体・23人のインタビューからは、「都市」/「地方」という単純な二項対立では捉えられない多様な実態が見えてきた。地域の実情に応じた活動手法、自分が生まれ育った「地元」で活動することへの思いと葛藤。「露出」することやメディアに対する柔軟な考え方。2011年の東日本大震災以前から続く、厚い活動の蓄積。そして震災が東北の団体の活動に与えた影響......。
いままでのセクシュアリティ研究で見過ごされてきた「地方」の実態を、当事者・団体スタッフたちの豊富な語りから考察し、性的マイノリティをめぐる政治と地域性についての新たな見取り図を提示する。
著:杉浦 郁子(和光大学現代人間学部教授)、前川 直哉(福島大学教育推進機構准教授)
発行:青弓社
価格:2,000円(税別)
ISBN 978-4-7872-3515-2
【青弓社 書籍紹介ページ】
https://www.seikyusha.co.jp/bd/isbn/9784787235152/