お知らせ
オンライン授業の継続にあたって
2020年7月30日
学生および保証人の皆さんへ
和光大学
学長代行 半谷俊彦
オンライン授業の継続にあたって
政府による緊急事態宣言は去る5月25日に解除されましたが、その後も新型コロナウイルス感染は収まる気配を見せず、東京都をはじめ全国で新規感染者が増加の一途をたどっています。こうした状況がすぐに変わることはないと考えられることから、本学では、2020年度は後期も授業を原則としてオンラインで実施することを決断しました。
・オンライン授業を継続する理由について
学生や保証人の皆さんからは、安全のために後期もオンライン授業を続けて欲しいという要望が寄せられる一方で、中学校や高等学校が通常授業を再開している中、なぜ大学だけがオンライン授業を続けなければならないのかという声も頂きました。そうした声に応えられないか、教職員が知恵を絞り、様々な可能性を検討しましたが、やはりそれは難しいと判断せざるを得ませんでした。本学には約3千人の在籍者がいます。中学校や高等学校と比べるとかなり大規模です。また、大学では受講する科目がひとりひとり異なることから、自分の授業を受けるために学生の皆さんが縦横無尽に構内を移動します。人が密集しやすい条件が揃っていますし、万が一、感染が生じた場合、その経路を特定することが困難です。また、本学には遠方から通っている学生も多く、駐車スペースなどの都合で自動車やバイクでの通学も禁止しているため、通学途中での感染の可能性を低く抑えることが難しい状況にあります。そうしたことから、学生やご家族の皆さんの安全を第一に考え、オンライン授業を継続すべきと判断しました。
・一部の授業を対面で実施することについて
後期においても、感染拡大が一定水準に抑えられている期間は、実技、実習、実験を伴ういくつかの授業は対面で実施します。対面授業は、大学構内に人が密集しないよう、一度に実施する科目数を抑制しますし、教室内でも離れて着席するなど万全な感染防止対策をとりますが、基礎疾患があったり、通学中の感染に心配がある場合は、無理をして参加しないで下さい。もちろん発熱しているなど体調が悪い場合や感染が疑われる場合は登校を禁じます。また、遠方の実家で生活している人は、対面授業のためだけに大学の近辺に下宿する必要はありません。対面授業を実施する場合は、そうした学生のために、課題学習などの代替措置を講じるなどのサポートをします。どの科目で対面授業を実施するかは、確定次第、速やかにお知らせします。
・オンライン授業の改善について
オンライン授業には、メールや電子掲示板を通じて教員と学生がコンタクトを取りやすい、動画を繰り返し視聴することが可能である、時間をかけて課題に取り組むことができる、などの長所があります。前期中、各教員は、オンライン授業の短所を補完し、長所を活かすよう、様々な工夫をして来ました。後期は、教員が前期の授業を通じて得た経験を活かし、さらに良い授業を実施していきたいと思います。そのために、現在、アンケート調査を行い、全ての教員に、前期中に感じた問題点や、成功した工夫の例を挙げてもらっています。後期授業期間が始まるまでに教員の研修会を開き、教員の経験や学生の皆さんからの意見を共有して、教授法の改善に努めていきます。
・学費について
後期も対面授業を行わないならば、授業料などの学費を減額して欲しいという要望も頂きました。本学では、「ただの物知り」ではなく「自分の力で考える人」を育成するという理念のもと、個人指導や少人数教育を高い水準で実践するため、可能な限り多くの教員を配置しています。また、「総合的知性」を育むという目的のもとに、人文科学、社会科学、自然科学のあらゆる分野にわたる多彩な授業を最大限に展開しています。大学の活動資金の多くは、皆さんの納める入学金や授業料などの学費によって賄われているわけですが、平時から、余剰を出すことなく、その全てを授業や授業外教育を通じて、あるいはそのための環境整備などを通して皆さんに還元しています。実直に申し上げますが、そうした運営方針にあって、全学生の授業料を一律に減免することは困難です。オンライン授業に形を変えても、平時と同様に、あるいはそれ以上に、良い授業を実施していくことで、また、そのための環境整備や支援サービスを充実させていくことで要望に応えていきたいと考えています。
感染防止対策をとらなければならない状況はこれからも続くと思われます。世間では、「with corona」 や「new normal」などの言葉で表現されていますが、本学においても、感染防止対策をとりつつも、学生の皆さんがこれまでと同じく、あるいはそれ以上に和光大学らしい教育を受けられる工夫をして行かなければなりません。そのためには、学生や保証人の皆さんから寄せられる声によく耳を傾け、ひとつひとつのご意見を検討し、授業運営、学生生活支援、キャリア支援のあり方を常に見直していく必要があると考えています。今後も皆さんからのご意見をお待ちしています。ご理解、ご協力下さいますようお願い致します。
※対面で実施する一部の授業についての詳細は、7月30日(木)に和光ポータルにて掲示配信しています。
以上