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図書・情報館紹介

学生の皆さんへ「ラビリンスで道に迷ってみませんか」

図書・情報館マスコットキャラクターワコポン☆  皆さんは「面白い」本の見つけ方をご存じですか。きっと様々な方法を試してこられたと思います。巷にも良い本の発見方法は色々あります。いま、多くの書店では店員さんたちが本の推薦文をポップ広告にしています。新聞の書評欄も参考になります。友だちからの「面白かったよ」という口コミ情報も貴重です。一般の方々が書いたネット上の書評も有用です。
 梅根記念図書・情報館にも「お勧め本」や新しく入荷した本の紹介コーナーがあります。当館の蔵書検索システム<さとるくん>を利用すれば、関心のある分野の本が見つかるでしょう。各種メディア記事の検索も可能です。雑誌の新刊広告を参照することもできます。

 今日は、館長としての自己紹介も兼ねて、「面白い」本との出合いにまつわる私の体験をご紹介します。職業柄もあって、私は古本屋めぐりが大好きです。愛妻からは「どこへ旅行に行っても、訪問先はその街の古本屋さんだからいつも風景が同じね」と笑われています。
 十五年ほど前のある日、私は馴染みの古書店に行きました。お店は4階建ての大型店です。私のお気に入りは2階の文化人類学系書籍のコーナーでした。でも、その日は様子が違いました。ごっそりと本が入れ替わっていたのです。古書店全体の配置換えでした。私のお気に入りのコーナーは別の階に移動していました。
 そこで、私は古書店の新しい(全体の)配置を確かめることにしました。ちょっとワクワクしながら歩き回り始めました。すると、あちこちのコーナーから見慣れない本が「面白いよ」と語りかけてくるのです。その日は結局、たくさんの本を購入してしまいました。歩いて、見て回って、思いがけず、多くの面白い本と出合えたわけです。

 以前、元館長の小関和弘先生が図書・情報館のことを「ラビリンス(迷宮)」と呼んでいました。その通りかも知れません。本当には、どこに何が隠れているのか、行ってみないと分からない。そして、目的の場所を見失って、間違った方向へ歩いてみると、かえって面白そうなところに行きつくかも知れません。
 書棚で隔てられた部屋の向こう側には、はたしてどんな素敵なものが隠れているのか。はたまた、驚かされるのか。彷徨いつつ、自らの足と感性と偶然で「面白い」ところへたどり着く。これがラビリンスの醍醐味かも知れません。
 皆さんも図書・情報館という迷宮で歩き回り、時として道に迷ってみませんか。できれば、あちこちで迷子になっては、その場で出合った本を開いてみてください。面白いものが見つかり、そこがあなたにとって居心地の良い場所になるかも知れません。

 梅根記念図書・情報館は「ラビリンス」に相応しい威容を持っています。地上4階、地下1階の総5階建ての見た目よりもずっと大きく、しかも奥に深い建物です。実は、当館は傾斜地に建っているので、普段皆さんが目にしているのは地上3階と4階の一部だけなのです。館内には数多くの図書と共に、共同研究室や研究個室、対面朗読室、メディアサロン、AVライブラリー、検索用パソコン、イートイン・スペースなども完備しています。
 ふらりと無目的でラビリンスにいらしてください。ただ闇雲に歩き回るだけで大丈夫。道に迷ってこそ、「面白い」本に出合うチャンスが生まれます。ただし、もし、迷宮ツアーで良い本に出会うことなく、ミノタウロスに捕まって喰われそうになったら、司書という名前の「レスキュー部隊」を出しますから、声を掛けてください。
 私をはじめスタッフ一同は、図書・情報館が皆さんにとって有意義な機会を生み出すラビリンスであるよう願っています。私たちは「迷宮」の入り口を開けて、皆さんをお待ちしています。

2019年5月 図書・情報館長 加藤 巌

図書・情報館概要

館内には、本学教員や卒業生の作品も展示されています。

演技者―吉田芳夫作 作品画像―光 作品画像 作品画像―The Seven Stripes―A

和光大学附属図書館は、1966年大学創立と同時に発足しました。
当初は、書庫、閲覧スペースを含めて約300m2の小さな図書館でした。

1984年4月に、学生数、蔵書数の増加にあわせて、地上4階、地下1階(約 3,400平方メートル)の初代学長の名を冠した和光大学附属梅根記念図書館として開館し、1994年4月には、二期工事によって、総面積5,427平方メートルの規模になりました。

2009年4月には、図書館と情報センターが統合し、新たに「和光大学附属梅根記念図書・情報館」としてスタートしました。

これを受け同9月には、3Fメインフロアの改修を行い、学生の多様な学習・生活スタイルに対応できる施設へと発展しました。

現在では和洋図書51万冊、雑誌5千2百種、視聴覚資料4千6百種を収蔵し、閲覧座席も441席となっています。

図書資料は、ほとんどが直接手にとって利用できる自由接架システムを採用し、各階に資料検索システム<さとるくん>の端末も配置しています。

蔵書は、現代人間学部、表現学部、経済経営学部のそれぞれの領域に関する人文・社会科学分野の資料が中心となっています。特色ある資料として、教育学を中心にした蔵書からなる梅根文庫、中国現代文学研究資料および近現代関係資料などを中心とした図書・雑誌からなる小野文庫のほか、大高文庫、朝鮮資料、家永教科書裁判関係資料などを収蔵しています。

サービス面では、誰もが使いやすい図書・情報館を目指して、対面朗読サービスや、一般の方への貸出サービスの実施などにも努めています。

一方で、学内における情報ネットワークやコンピュータ教室(メディア室)などの情報関連施設・設備の整備・運用も行うことで、学内における総合的な情報基盤整備やITを活用した学習・研究支援の充実にも努めています。

誰もが使いやすく居心地のよい空間をめざして

1984年に開館した図書館は、“誰もが使いやすい図書館”をコンセプトに作られました。段差のないフロア、車椅子でも使いやすいローカウンターや書架間隔、ゆっくりとドアが開閉する設定のエレベータ、トイレの入り口の自動ドア化などはその表れです。

当時図書館建築の主流であった収蔵能力を重視した積層式書庫も、使いやすさの面から見て導入を見送り、各フロアに開架書架と閲覧座席を併設しました。いまほど広がっていなかったユニバーサルデザイン(障がい者・高齢者・健常者の区別なしに、すべての人が使いやすいように製品、建物、環境等をデザインすること)へのチャレンジでもありました。この考え方は現在も受け継がれており、2008年度末に導入された1階電動書架も通路幅をゆったりと確保し、利用時の圧迫感の軽減や車椅子での出入りなどに留意されています。

2009年度には組織改編でそれまでの図書館と情報センターが統合され、図書・情報館として生まれ変わり、それを機に「大学生活の一機能として位置づく滞在型図書館」をめざし館内をリニューアルしました。

コミュニケーション・ゾーン(3階)は、資料・情報・サービス・パソコン環境の総合的な利用の場、活発な交流やくつろぎの場として、スタディ・ゾーン(4・2・1・B1階)は資料を手元にじっくりと取り組める落ち着いた学びの場として棲み分けをし、時代の変化を視野に入れつつ多様な過ごし方ができる空間づくりを進めました。長時間の学習・利用を支えるため、イートインスペース(飲料の自動販売機あり。軽食OK)やラウンジも設置されています。それぞれのニーズに合わせて、ぜひ図書・情報館を活用してください。


"Observez la nature, et suivez la route qu'elle vous trace."―par J.J. Rousseau
「自然を見よ、そして自然の教える道に従ってゆけ」 J.J.ルソー著『エミール』より

梅根記念図書・情報館のエントランスホールの壁面に掲げられたレリーフ

図書・情報館入口壁面レリーフ

「ルソーのことば」によせて 石原静子(名誉教授)

新図書館に入る人は誰でも、左側の大理石の壁に大きな浮き彫りの文字があるのに、気づくはず。ルソーって誰だか、知ってる? そう、十八世紀の思想家。故梅根学長が、学問上の初恋、といえるほどに好きだった人。だからフランス語だけど、読めますか。語学で取ってない、なんて言わずに、図書館で辞書借りて、引いてごらん。梅根さんも学生時代に、この『エミール』を読むために、わざわざ語学学校にフランス語習いに行ったんだって。語学はほんとはそうやって、必要を感じて学ぶもの。と、これも梅根さんが言いました。

辞書なくたって、初めのニ語くらい、見当つくでしょ。そう、「自然を見よ」。その先はちょっとムリだけど、「ルート」「トレース」なんて英語と似たのがありますよ。ヨーロッパ諸民族が歴史的に近い親類だってこと、コトバの上からも分かるんだな。分かった所で、後半分の訳を教えよう。「そして、自然の教える道に従ってゆけ」。これは、梅根さん自身の訳です。彼著『エミール入門』の36頁を、ひらいてごらん。

そこにもあるように、ルソーの強調する「自然」は、山や川とか動植物などをさすのではなく、また「人工」の反対、つまり人間でいえば自分の衝動のままに行動する、ことを意味してはいません。

少しむずかしくいうと、人間を含めた「世界を支配する根本原理」「普遍意志」(のことだと、梅根さんは彼の卒業論文で論じています)で、人は誰でもその年齢なりに、これに触れ従うことによって成長してゆく。例えば子どもなら、「自由にかけまわ」っていて「石につまづいて足をすりむくといった」経験によって、大人なら「社会に生きる人間の欠くべからざる義務である」ところの「労働」を通じて(どちらも『エミール入門』より引用)、自分を教育してゆくわけで、それがやがて「普遍意志」を表現した社会をつくることにつながる、というのです。

人間理想としての自然とは何か。とは、梅根さんが生涯追及した課題であり、和光大学を創ってからも、ずっと自分に、そして学生みんなに投げかけ続けてきたにちがいない問いです。

私たちが、彼を記念し和光の将来を託すこの図書館に、ルソーの自署と共にこの言葉を選んだのは、今後永くここに学ぶ一人一人が、それぞれに考え、また実践を試みるための礎石、と考えたからにほかなりません。

(和光大学通信第32号1984年4月1日刊より)


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