ハラスメント防止に関する取り組み

ハラスメントとは?

―ハラスメントは、被害にあった個人に、さまざまな形で深刻な影響を与えます。 ハラスメントには、どこまでがハラスメントで、どこからがそうでないのか、目に見える基準があるわけではありません。ことばや行為の発信者と受け手との関係の中、そのことばや行為が受け手にとってどのような意味を持つのか、受け手がどう感じるかが基準になります。この程度だったらハラスメントではなく、これ以上はハラスメントだというような強弱の問題でもありません。ハラスメントは誰にでも起こりえます。また、わたしたちは、誰でも嫌がらせを受ける可能性があるのと同時に、誰でもハラスメントを起こしてしまう可能性もあることに留意しなければなりません。大学は全ての人の人権が守られる場です。年齢・性・出身地・身分・民族・国籍の違いなどによって、大学生活上、いかなる不利益も生じてはなりません。ハラスメントを発生させないためにも、ハラスメントに対する正しい認識を持つことが必要です―

セクシュアル・ハラスメント

セクシュアル・ハラスメントとは、意図しているかどうかに関わらず、相手に性的に不快と思われることばや行為で人格を傷つけることです。
先輩・後輩、教職員・学生といった力関係を利用して、性的な誘いかけや、嫌がらせ、不快な言動を行うことや、性的な誘いかけを受けるか受けないかで相手に利益や不利益を与えること、またわいせつな写真や画像を見せるなど職場や教育環境を悪化させることも、不快感の強弱が問題なのではなく、相手が嫌だと感じたり、不快に感じたり、人権を傷つけられたと感じたりすれば、それはセクシュアル・ハラスメントになります。

ジェンダー・ハラスメント

ジェンダー・ハラスメントとは、男性・女性に関する固定的な「らしさ」のイメージに基づく嫌がらせや、差別的な言動のことです。女性だから、男性だからといった理由だけで性格や能力の評価やきめ付けを行うことはジェンダー・ハラスメントであり、広い意味でセクシュアル・ハラスメントとみなされます。

アカデミック・ハラスメント

ハラスメント行為の根底には、力関係(パワーをもつ者ともたない者との関係)が横たわっています。このうち、職務上上位にある者が、本人が意識する・しないにかかわらず、優位な地位や立場を背景に不適切な言動や、指導を行うことによって就労意欲や、就労環境を悪化させることを、特にパワー・ハラスメントと呼びます。
 これらのハラスメントは、必ずしも明確に分類されうるものではなく、相互に関連しあっています。ここにあげた例以外にも、力をもつ者が力をもたない下位者に対して、下位者の人権を侵害する不適切な言動をすることがあれば、それもハラスメントの一種といえます。