イベント就職・進路 |  2017/11/13

10月26日(4限)に
現代社会学科主催のキャリア支援イベント、
”就活の常識”は正しいか?〜採用の現場から〜
を開催しました。

講師は、日本航空(株)で新卒採用を含む人事業務に
長年携わってこられた中原秀樹さんです。

中原さんは、今年度(前期)に学科専門科目「現代社会と労働」を
オープン・カレッジ受講生として受講してくださいました。
この学科イベントは、その授業担当者(竹信三恵子)と
中原さんとの交流をきっかけに実現したものです。

◆イベントのチラシ



中原さんは、ネットやマニュアル本が流通させている「就活の常識」は
企業の採用活動の実際と異なっていることが多い、
という問題意識を日頃からお持ちだったそうです。
それを知った学科教員が「選考や面接のリアルを学生に伝えてほしい」
とお願いしたところ、中原さんから快諾を得ました。

チラシのキャッチコピー
就職試験に偏差値はあるのか」「面接試験に正解はあるのか
への中原さんの答えは、いずれも「No」です。
筆記試験は(基本的に)面接可能人数に絞るステップ、
合否は最終的に面接で判定され、判定基準は「一緒に働きたい人か」。
担当面接官との相性や各企業の採用方針にも左右されますから、
絶対的な正解などありません。

それでは、就活を視野に入れながら、
どのように大学生活を送ればよいのでしょうか。
中原さんのアドバイスはこうです。

世代や価値観の異なる多くの大人と会話する機会を自ら行動して作ること
小説や映画などを通じて、多くの人生に共感すること
新聞などの媒体から的確な情報を得て、社会の動向に関心をもつこと

つまり、人としての深み、経験の厚みが就活では重要なのでしょう。

現代社会学科には、(自分だけではなく)自分とは異なる他者や
社会に関心のある学生がもともと集まっていますし、
学科の科目も、様々な生き方、働き方、暮らしについて
学ぶことが目指されています。

ですから、学科の皆さんは、自信をもって就活に臨み、
大学で学んだことを自分なりの言葉で伝えてください。

◆講座の様子



(和光大学 現代社会学科 杉浦郁子)

  働くことについての情報を、インタビューなどの現場体験を通じて得る――。これが竹信ゼミの目指すものだ。非正社員が激増し、正社員の働きぶりも過酷化している。ところが、就職体験がない学生には、それはどこかよそごとだ。働くことについて実感を持って理解するにはどうすればいいのか。試行錯誤の末たどりついたのが、現場へ出て、働く現場の人々の話を聞くことだった。
 
●キャリア教育だけでいいのか
 
 かつては、卒業すれば正社員への門戸が開かれ、定年までの安定は保障されていた。だが今や非正社員は働き手の四割近くを占め、卒業後の居場所を失う若者の増加が社会問題となっている。キャリア教育は、そうした事態を乗り越えるための教育として広がった。
 
 だが、これまでのキャリア教育の多くは、会社にいかに入るかに目的が集中しがちだった。「自己分析シート」によって適職を分析し、エントリーシートを何十社と出しまくることが仕事探しの意欲の表れとして奨励される。それが悪いとは言わない。だが、これらを繰り返しても、安定雇用を獲得できる保障は必ずしもない。問題は、学生の意欲不足というより、安定して生活できる働き方が激減していることが根本の原因だからだ。
 
がんばっても正社員の椅子からあぶれる働き手が一定数は出て来る社会になったにもかかわらず、「頑張れば椅子に座れるはず」と言われ続ければ、椅子に座れなかった学生は、自分を責め、自信を失う。就職できたとしても、大卒の3割、高卒の4割、中卒の6割は3年以内に会社をやめる。若者労働NPOPOSSE」の調査では、その多くが労働基準法に違反した労務管理によって働き続けられなくなってやめている。
 
それでも、学生たちは「就職に不利」として自分の身を守る権利を規定した労働関係諸法を見ないようにしがちだ。そんな中で働き続けるためには、「会社に気に入られる」ことだけでなく、自己の尊厳を回復し、権利をどう守るかを身に着ける教育が必要だ。児美川孝一郎・法政大学教授が名づけた「対抗的キャリア教育」だ。
 
 
●「バイ活」の発見
 
 学生たちに労働問題を身近に感じてもらうには、彼らが生活費を稼ぎ、理不尽な扱いに悩む労働現場を取り上げるのが早道だ。それがアルバイトだ。そこで、「現代社会と労働」の授業では、「ブラックバイト」を取り上げてきた。
 
長時間働いても残業代が出ない、シフトを選べないために授業に出られず単位を落とす、といった違法、または違法すれすれの状態で働かされるのが「ブラックバイト」だ。そんな行為には、バイトであっても断る権利があること、変だなと思ったらまずは相談窓口に連絡してみること、などを説明する。職場での人権侵害の実態を知って、働くことがいやになったら困る、と不安もあった。だが、むしろ明るい顔になる学生は少なくなかった。「労働相談とか、労働法とか、味方になってくれるものもあるんですね」と言う学生もいた。彼らが声を上げないのは無気力だからではなく、孤立無援と感じているためなのだとわかってきた。
 
 そんな中で、受講していた学生の一人が、「先生、最近は就活どころかバイ活です」と言い出した。いくら面接を受けてもバイトに採用されない。自分の印象が悪いのかとひそかに悩んでいた。だが、授業を聞いて、採用になった学生たちと不採用になった学生たちに聞き取りをしてみることにしたという。わかったことは、すぐに採用された学生たちは、面接で、どんなシフトにも合わせると答えていた。一方、不採用組は、授業に合わせてシフトを選びたいと答えていた。おかげで授業に出られず、卒業が危うくなる学生が出ていることも見えてきた。アルバイトへの企業の依存度が強まり、社員並みにいつもで働いてくれる学生でなければ採用しない傾向が強まっていたのだ。
 
 
●働く現場を回る
 
 ゼミには、こうした授業を聞いて働き方に関心を持つ学生がやってくる。彼ら彼女らには、若者ユニオンや女性ユニオン、労働NPOなどのメンバーを紹介してインタビューしてもらい、レポートを提出させている。理屈だけで知っていた働く場の歪みが、インタビューでリアルに理解できるようになり、また、聞き取りによる情報取集の技術も身に着く。
 
 もう一つの試みは、労働の現場をたどるゼミ合宿だ。2014年は学生の発案で奥多摩の小河内ダムを訪れた。小学生の遠足のようだが、東京への飲料水供給のためにつくられたこのダムは日本の植民地だった朝鮮半島の出身者や貧しい日本人労働者の厳しい労働によって建設された歴史を持つ。ダムのほとりには工事中の事故で犠牲になった87人の殉職者の名が刻まれた慰霊碑も立っていた(写真1)。

 

 

 

  小河内ダムのほとりに建てられた建設殉職者慰霊碑の前に建つゼミ生(2014年8月18日撮影)

 

 

 今年のゼミ合宿は、被災地の宮城県南三陸町や石巻市を訪れた(詳しくは、後述の「2015年ゼミ合宿報告〜東日本大震災の被災地、南三陸に出かけました」参照)。東日本大震災で根こそぎ家を流されたこの地で、人々はどう働く場を回復し、生活を立てなそうとしているのかを考えたかった。町おこしのNPOを運営している30代の男性は、「東京の人は仕事のあるところへ移ればいいと言う。だが、妻の父に『ここにいたい』と言われ、『いたい場所』で生きていくために、ここで食べていく方法を必死で考える、というやり方もあると思った」と話してくれた。

 

 就職だけが働くこと、と考えがちな学生には、就職の失敗は人生の終わりにみえる。だが、働くことはもっと多様だ。産業構造が変わり、従来の仕事が失われつつある日本社会では、これから、さまざまな「働く」を生み出していく必要がある。それを知れば、就職の失敗の痛みは相対化される。

 

 安定した会社に入れることは、もちろん喜ばしいことだ。会社が数少ない実地の職業訓練の場である日本のシステムでは、就職の大切さはいうまでもない。だが、激変する労働市場の中で、会社に入った後のキャリアの守り方、作り方を考える力も、ぜひ身につけてほしい。授業やゼミが、そんな小さな足がかりとなってくれるよう願っている。

 

(この文章は「和光学園報」2015年秋季号No353掲載『私のゼミ・研究室』に加筆修正したものです)

 

 

竹信三恵子(和光大学現代社会学科)

就職・進路 |  2015/02/10

現代社会学科の卒業生、岡本羽衣さん(08U)が個展「ありうる」を
開催します。

岡本さんは、「これまで、環境や社会の中でのちょっとした出来事に
身体を重ねあわせた
写真や映像を空間にインストールすることで、
独自のエロティシズムを感じさせる作品を制作」*してきました。

2013年には、個展「さびしさとブルーシート」を開催しています。

今回の個展では、「写真というメディアの持つ表面性、記憶や歴史の
不確かさなどに着目し、
架空の「男」の存在をめぐる、ときにシニカルで、
ときに情緒的な物語を展開」*するとのことです。
(*
entaku HPより

みなさま、ぜひ足をお運びください。

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岡本羽衣 個展「ありうる」


日時:2015年2月14日(土)〜27日(金) *金・土・日・月のみオープン
時間:16:00〜21:00
場所:ドマトトコ 〒131-0044 東京都墨田区文花1-12-10 青葉荘103
   (http://domatotoko.jimdo.com

★入場無料

企画:entaku (三原回) (http://mihalab.jp/entaku/information.html


《関連イベント》

・オープニングパーティー
2/14(土) 19:00〜
参加費:¥500(飲食代込み)

・トークイベント「記録と忘却」
ゲスト:飯山由貴(アーティスト)
2/21(土) 19:00〜
参加費:¥500(飲食代込み)

・クロージングイベント「岡本羽衣 個展“ありうる”再考」
2/27(金) 21:30頃〜
参加費:別会場にて別途飲食代

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中力 えり (和光大学 現代社会学科)

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