教職員から |  2009/09/28

今年度、サバティカル研修中の総合文化学科の酒寄進一先生(専門はドイツ文学)から、近況を伝えるメールが届きました。
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サバティカル研修を利用し、おかげさまで刺激的な日々をすごしています。
 
5月には、ドイツのミュールハイム劇作家フェスティバルに翻訳者枠で正式招待され、9月下旬には演出家宮本亜門さんとベルリンのオペラ座や劇場を訪ね、芸術監督や作家やドラマトゥルグにインタビューし、ドイツ演劇の現在にディープに触れる日々を過ごしていました。
 
将来、この成果を日本で形にしたいと思っています。
 
6月は約3週間にわたってイタリアをフィールドワークしました。
その成果が今回出版する『ジュゼッペとマリア』です。1943年から44年にかけて、第2世界大戦の戦火の中、南イタリアからローマへと放浪するストリートチルドレンの物語で、ナチ時代にスイスに亡命し、永住した作家が1955年、冷戦のさなかに書き上げた長編児童文学です。
 
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第2次世界大戦勃発70年の今年、同作家が戦時中の1941年に書いた『赤毛のゾラ』(長崎出版刊)とともに日本に紹介したいと思っていた物語です。なんとか戦争勃発の月である9月に出版できました。
 
6月のフィールドワークでは、舞台になる町や遺跡をほぼすべて訪ね歩き、翻訳を現地で仕上げました。第2次世界大戦というと、日本、ドイツについてはよくクローズアップされますが、同じ枢軸国で長くムッソリーニに独裁されていたイタリアの人々がどんな戦争体験をしたか日本では意外と知られていないように思います。
 
そうした空白を埋めるに一冊になるといいなと思っています。
そしてなによりも、コロッセウムなどローマに実在する古代ローマ時代の遺跡を舞台に、子どもたちが憲兵や警察から逃げまわる痛快な物語です。
 
『ジュゼッペとマリア』(上・下)
クルト・ヘルト著、酒寄進一 翻訳、長崎出版刊、2009年9月刊行。
上巻406ページ、下巻444ページ、各1,995円。
 
★『赤毛のゾラ』についてのブログ記事バックナンバーはこちら。
 http://www.wako.ac.jp/blog/index_univ/1267.html
 
★この情報は、総合文化学科の酒寄進一先生から寄せられました。
 

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