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山本ひろ子先生のプロフィール 自著を語る 新・野川日記 山本研究室とは? 研究室のメンバー 2011年度活動方針

新・野川日記B 《うた状態》へ、あるいは《うた状態》から

◇「うたげの会」が発足
  80年代に「説経祭文研究会」という会があった。3.11を機に当時のメンバー何人かが集まり、「説経祭文研究会」の復活と新展開を期して、“3.11以後の歌と語りを考える”「うたげの会」を立ち上げた。発起人は兵藤裕己さん(国文学)、川田順造さん(人類学)、藤井貞和さん(国文学・詩人)、佐々木幹朗さん(詩人)、赤坂憲雄さん(民俗学)、樋口良澄さん(編集者)、そして私の7人だ。
夏前に同窓会も兼ねて第1回の会合をもち、あれやこれやと相談。当面は発起人のもちまわりで企画することにし、第1回は兵藤さんの担当で10月2日の「琵琶物語と琵琶歌」と決まった。

新・野川日記C 南下日録〜大阪から新宮へ

◇旅のはじまり〜車窓の幻景

「八月は野伏せ山伏せ多かりき帝釈天星宝庫(ほくら)を開け」。「ふつふつと死界の音ら耳に鳴るこの物の怪のはらふ術(すべ)なく」。

八月の声を聞くと、ひらいてみたくなるのが村上一郎の歌集だ。またカレンダーの数字群から、中上健次の命日8月12日が、つと立ち上がってこちらへ歩いてくるときがある。今年がそうだった。

8月3日のフライトは、羽田発関西空港行きの最終便だ。激しい風雨が地面を叩く中、新百合ケ丘から空港行きのリムジンバスに乗る。乗客は私1人。走行音だけが響く、静まり返った車内から窓の外を眺めると、風景は雨に滲みながら走馬灯のように流れて旅のはじまりを彩る。あざやかな光の帯と暗い港のコントラストが織りなし、変幻してゆく品川埠頭の光景の美しさ、妖しさ。さながら異界の景観で、脳裏に不穏な八月が明滅する。

2011年度 物部フィールドワーク特集!後編

 今回の物部フィールドワークは、グリーンツーリズム組と食文化探訪組に分かれて行動した。
 私は食文化探訪組に参加したが、最も印象に残っているのは宗石さんのお宅、また周辺の山でのフィールドワークと実習である。例年物部ではお世話になっている佐竹美保さんも同行してくださった。薬草・野草がふんだんに採集出来る新緑の季節ではなかったけれど、物部の食文化の魅力を存分に味わえた体験だった。以下にそのあらましをレポートします。



柳田國男「ネブタ流し」を読む

2011年度前期のゼミでは、柳田國男の「毛坊主考」を主要なテキストとして扱い、毎週レジュメによる発表を行いました。さまざまな視覚からの読みが可能なこのテキスト。今回は鈴木君による「ネブタ流し」の章の紹介と自身の考察を掲載します。

◆柳田國男「毛坊主考」を読んで
  柳田國男の「毛坊主考」は、多面的な作品である。表題のとおり、地方の集落で半俗半僧侶生活を送る念仏の徒についての話もあれば、シュクや茶筅などの被差別的な扱いを受けていた人々の生態とその信仰について、また、各地に残る由来のわからなくなった塚や山という異界の周辺にたむろしている者(童子)たちについての話もあった。

2011年度 物部フィールドワーク特集!前編

 体験に勝る勉強はない。それが僕の物部でのフィールドワークだった。  
◆ぼくのフィールドワーク、どたばたに始まる!
僕は諸事情で他のメンバーに一日遅れて高知入りをした。「高知のセミは東京のセミより元気だなぁ。」そんな、のほほんとしたものべ荘への道中で“事件”は起きた。先発隊と朝9時に大栃で合流するには、土佐山田8時20分発のバスに乗れば9時ごろには大栃に着く。高知駅を出発し、8時10分に土佐山田駅に到着。駅員さんに「8時20分発の大栃行きのバスはあそこで待てばいいんでしょうか?」と聞くと、駅員さん曰く、「今日は土曜日なので次のバスは9時32分発ですね」。「えっ?」。この時の体から力が抜けていく感覚を今でも忘れない。……

特別企画――物部・いざなぎ流関連小論 その3

物部フィールドワークのための事前の勉強会と現地でのさまざまな体験を経て、私たちは、より深く物部といざなぎ流について、また民間信仰や呪術について知りたいという思いを強くしています。私たちが物部を訪ねる十数年前に山本ひろ子先生は、先生ならではのアプローチで、いざなぎ流との邂逅を果されました。今回の「論考を読む」では、先生のいざなぎ流に関する一連の論考「呪術と神楽――日本文化論再構築のために」(『みすず』掲載)のなかから、初回の「法太夫の住む村」を数回に分けてとりあげ、山本先生と物部との出会い、さらには民間の宗教者たちに向けられた先生の眼差しの軌跡をたどってゆきます。




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