作品紹介 WORKS
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GUEST ARTIST

安藤孝浩 《ポテトチップスフォトン》

ポテトチップスフォトン

この作品はポテトチップスから発生する微弱なフォトン(光子)をリアルタイムで映し出すものである。ほの暗い研究室に置かれた立方体のスクリーンに、無数の光の粒を投影。スクリーンの上にはポテトチップスを散りばめた。

ポテトチップスの油は酸化する際に微弱な光を放つ。人間の目には見えないレベルだが、光電子増倍管という特殊なセンサでその光を捉えることができるのである。極微弱な光は、光の素粒子であるフォトンとして確認でき、数を数えることが可能だ。条件にもよるが、ポテトチップスの酸化で発生するフォトンは、毎秒数千から数万個にもなる。

1965年生。東京芸術大学美術学部油画専攻卒業。同大学助手を経て現在上野タウンアートミュージアム事務局スタッフ。植物の種子が発芽する際に発生する微小な光子を検出し、映像化させた《BioPhoton》など、物理的に光の性質を利用した作品を多く手がける。 主な活動:「LUMINAS/光の振幅」(2002 表参道画廊+MUSEE F 東京)、「ネクスト:メディア・アートの新世代」(2004NTTインターコミュニケーション・センター[ICC] 東京)、「眩暈(めまい)の装置:松本俊夫をめぐるインターメディアの鉱脈」(2006 川崎市市民ミュージアム 神奈川)、「サスティナブル・アート・プロジェクト 事の場」(2007 東京都台東区)。

大塚聡 《Moving Window》《The edge of the world <from TV tower, Berlin>》

Moving Window

普段倉庫として使用されている一室に、2つの作品を展示。
トランクの中では、漆黒のガラス面を光の点が移動していく。1秒毎に、リレーのように明滅する光は、何層にも重なったガラスによって無限の奥行きが与えられた。世界中の電源で起動できる仕組みになっており、世界中如何なる場所でも開くことが可能である(アンデポンタン以外では、作家の自宅、六本木のギャラリー、フランスにて開いた。2008年にはアメリカで公開予定)。
窓に投影された映像はベルリン、テレビタワーの最上部にある回転レストランにて作家により撮影されたものである。窓から見える大学の中庭の風景の中に、遠方の地が浮かび上がる。
遠くの場所と近くの場所 (距離的にも時間的にも)を、1つの空間上で組み合わせた。

1970年生。多摩美術大学美術学部卒業。03-04に財団法人ポーラ美術振興財団在外研修制度にてベルリンに滞在。観賞者にとって、単純な感動や,何らかの感情を喚起させ、個人の日常の中に寄り添うような体験を提供する。 主な活動:「MIRAGE-鏡面界-」(1999 ガレリアラセン 東京)、「Memory/Space」(2000ヨコハマポートサイドギャラリー 神奈川)、「Pro Tubo, zeitgenoesische junge Kunst aus Japan」(2002 Thodor-Zink Museum, Kaiserslautern ドイツ)、「THE ESSENTIAL」(2002 千葉市美術館)、「Mirage. 大塚聡/逢坂卓郎-二人展」(2003 St.Elisabeth-Kirche Berlin)、「The day from far away 遠い日」(2005 表参道画廊 東京)、「CountingWave 波をかぞえる」(2006 TSCA KASHIWA 千葉)。

開発好明 《3匹の子豚の家》

3匹の子豚の家

母親ブタは子どもたちを自活させるため外の世界に送りだす。
捨てられていく廃材を利用した3つの小屋を制作。発泡スチロールの小屋は作家の指導の下制作。古着の小屋、ペットボトルの小屋は素材の選択・収集から組立までワークショップ形式で学生が行った。
ペットボトルと古着は大学内で、発泡スチロールは大学周辺の家電量販店や魚屋から集めた。
内部に照明を施すことにより、夜になるとまた違った印象を観る者に与え、その構成要素が廃材であることを忘れさせる。

1966年生。多摩美術大学大学院美術研究科修士課程修了。パフォーマンス、インスタレーションと国内外問わず、精力的にアーティスト活動を行っている。人に振り向かれない素材を使い、新たな意味を持たせるという観点から、主に発砲スチロールで制作を行う。 主な活動: FADs art spaceを設立し開廊記念として《痕跡》(2000 東京)、「発泡苑 in Bregenz」 (2002 magazin4 オーストリア)、「ケンタウルス1.5倍」(2004 山梨県立美術館)、「ceiling」(2005 Murata & Friends ドイツ)、「YATAI Vendor Project」(2005 visual arts gallery art department New Jersey City University アメリカ)、「Happou-En/Teehaus 」(2006 NKV ドイツ)、「D evelopmentTV」(2006 Kuenstlerhaus, Bethanien ドイツ)。

利部志穂 《家を持ち替える》(撮影・山本糾)

家を持ち替える

本当に家が持ち運べるか。
業者が壊した家をどこかに移動したいと思い、大学内の元体育館で倉庫とシャワー室だけが外側に残った場所に、ダンプカーで2t分の家を運んだ。 この名前のない場所はちょうど解体現場と同じだと思った。(利部志穂)

1981年生。多摩美術大学大学院美術研究科修士課程修了。広い視野から物事を客観的に捉え、人と物質、自然とが関わることによって起きる変化をテーマに、様々な素材を用いて「彫刻作品」の制作をする。当展覧会においては、建て替えのため自宅が壊された際の、がれきを用いた作品を制作。現在注目を浴びる若手アーティストの1人。
「動物公園美術展 -どうぶつ立体図鑑」(2005 多摩動物公園 東京)、「横浜の森美術展」(2006 横浜の森公園予定地)、「GARDENS-放射状の視点」(2006 イイオギャラリー 東京)、「緑化する感覚-次世代の作家達の変革」(2006 青梅市街 東京)、「子供とまつり」(2006 越後妻有アートトリエンナーレ 新潟)、「描く個展」(2006 space1/3 東京)、「フォント~で日を見る」(2007 なびす画廊 東京)、「家を持ち替える」(2007 カカブハイツ 神奈川)、「家を持ち替える」(2008 表参道画廊)。

佐藤実(m/s) 《irregularity/ homogeneity :emerging from the perturbation field》

irregularity/ homogeneity

完全なる不規則な状態。もし、そのような状態に満たされたなら、個々を識別することはできず、そこになんら変化の法則を見出すこともできない。私たちは、等質なものが規則正しく並んだ状態以上に、完全なる不規則の状態に満たされたとき、それを均質と呼ぶのだろう。ただそこで見出される性質の傾向に対してのみ、名前を与えることができるのだ。そのような不規則の場所、そこは日常の言語で余すことなく記述することが不可能な「物事」の在処でもある。
蛍光(ルミネセンス、蛍光放電管による光の明滅)とは、電子の状態が遷移することで生まれる光である。蛍光と名付けられた光の2つの状態。不良化した蛍光灯の明滅は予測不可能であり、一方健常な蛍光灯は1秒間に約50回明滅している。スピーカに耳を近づければ、それらの明滅自体のエネルギーが、低い音のうねりとなって聞こえるだろう。つまり量子レベルのエネルギーの塊を直接聞いているのである。
一方そのような量子のレベルで考えてみれば、不良化した蛍光灯だけではなく、健常な蛍光灯でさえ、実は確率的な光の明滅の塊といえる。「不規則性と均質性」と名付けられたこのインスタレーションは、不規則に明滅する光と均質に明滅する光、量子レベルの蛍光現象と物量として現れるスピーカの振動現象(monotonous:単調な、astatic:不安定な)×(irregularity、homogeneity)という状態を示す行列状のテクストで構成されている。この作品を通して、「物事」の在処に想いを馳せていただければ幸いである。(佐藤実)

1963年生。89年よりm/s名義で活動。1994-2006年アーティスト集団レーベルを運営。物理現象と概念に焦点を当てたインスタレーション作品を研究、制作。現在川崎市市民ミュージアムなどに勤務。 主な活動:「Sound Culture」(1991 オーストラリア)、「Sound Art Sound as Media」(2000 東京)、「BEELDEN BUITEN/ FRACTALS」(2002 Belgium)、「Site of Sound」(1999 アメリカ)、「Social Music」(2002 アメリカ)、「Amplitude of Chance:Book+DVD-ROM」(2001)。今年CDリリースはソロ《NRF Amplification》(ms-wrok)。吉田アミのための作曲作品《COMPOSITION for voice performer》(aotoao)。Minoru Sato+ASUNA《Texture in glass tubes and reed organ》(Spekk)。