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近世ゼミ連句2010、震災で中断未完の報告

2011年7月21日

こんにちは。私(深沢)が指導する「近世の文化と言語表現」ゼミでは、

毎年1年間約30回のゼミを通じて、歌仙連句36句を実作しています。

前の学科ブログでも逐次公開してきました。

ただ、2010年度は名残の折ウラに入ったあたりで授業期間が終わりまして、

3月19日の卒業証書交付の日の全学パーティーのあと、残りの数句を付けて終わろう、

と計画していたのですが、11日の震災によってそれができなくなってしまいました。

34句めで中断し、匂いの花と挙げ句とを欠いた未完の歌仙ですが、

3.11を記憶する意味もこめて、未完のままで報告しておきたいと思います。

とくに、別れも言えずに卒業していったゼミ卒業生の数人に、

ゼミ連句の2010はこうなりました、と伝わればいいなと思います。

ここに俳号で載っているゼミ卒業生の皆さん、どうかお元気で。

どうか、卒業論文執筆で体験したような、

文学や文化について読み・調べ・知る楽しみを、ずっと持ち続けて下さい。

◇◇◇◇ 2010年近世ゼミ連句「入学の靴」の巻 ◇◇◇◇

(初折オモテ)
1  起き出して入学の靴揃えけり     正子   (春)

2  赤白二本咲くチューリップ      山左右    (春)
3  蝶々が蜜を求めて右往左往      薫平   (春)
4  歌劇帰りの夜道に浮かれ       驢馬
5  月光のスポットあびて取る仮面    佳人   (秋・月)
6  雷おやじ祭りで喧嘩         低見川  (秋)

(初折ウラ)
7  浅草の門をすいすいアキアカネ    山左右  (秋)
8  夕凪の街停まる一コマ        千津
9   時駆ける少女は恋も巻き戻す     浮暮鈴  (恋)
10 デートのたびにせがむ告白      壱歌   (恋)
11 色仕掛けオトリ捜査で証拠取る    空夜
12 釣られちゃったねブラックメール   松庵
13 何故なのか不幸の手紙も帰り来て   島
14 煩悩捨てて除夜の鐘聞け       山左右  (冬)
15 雪の上月澄みきって心澄む      亜月   (冬・月)
16 うさぎかるがる小川とびこえ     驢馬
17 花咲けば鯉もぴょんぴょん跳ねるなり 空夜+愁 (春・花)
18 油に放るふきの天ぷら        佳人   (春)

(名残折オモテ)
19 かき揚げの形に似てるツバメの巣   奇山   (春)
20 いつ戻るやら海外勤務        山左右
21 冷めやらぬカサブランカの恋の熱   驢馬   (恋)
22 港でデート夕空燃える        愁    (恋)
23 物言えず胸の思いも泡と消え     鴉    (恋)
24 シャンプーハット早く取りたい    低見川
25 昼の汗流し浴衣でお祭りへ      島    (夏)
26 クラス揃いのうちわの模様      山左右  (夏)
27 唐草のデザイン実習美術系      無骨
28 宝石泥棒見事な細工         亜月
29 ネコの目が月の出を待ち光ってる   鴉    (秋・月)
30 秋刀魚か鯖か銀の大皿        驢馬   (秋)

(名残折ウラ)
31 焼き芋をおいしくくるむ新聞紙    亜月   (秋)
32 「落ち葉取ろう」と髪を撫でられ   磊磊   (秋・恋)
33 「寄り添いたい」わたしの心さらわれた 村上座 (恋)
34 波打ち際に消える足跡        山左右

   (うちの飼い猫のタビです。)

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