開会のあいさつ

佐治俊彦 人文学部教授

本日は和光大学主催の秋期シンポジウム「中国の近代化と人間」にようこそおいで下さいました。本来ならば総合文化研究所長でもある杉山学長が開会の挨拶をいたすところでありますが、明日から本学が沖縄で開く移動大学の準備のために沖縄へ行っておりますので、所長挨拶を失礼させていただきます。私は本日の司会をさせていただきます、中国文学の教員をしている佐治と申します。和光大学総合文化研究所は、昨年開設されたばかりで今年二年目を迎えます。この研究所は始まったばかりで、ほとんど何の施設も実績も持たない小さな名前ばかりの研究所ですが、簡単に概要をお話ししようと思います。

この研究所は、〈アジア地域研究系〉〈表象文化研究系〉〈教育生活研究系〉という三つの系に分かれております。そしてそれぞれの系ごとに一五のプロジェクトチームを組織して研究活動を行なっております。昨年は創設記念ということもありまして、二日にわたって「戦後五〇年を考える」というシンポジウムを開きました。今年は和光大学創立三〇周年という節目でもありますので、春にやはり研究所主催で「二一世紀に向けて大学のあり方を考える」というシンポジウムを行ないました。

本日のシンポジウムは以前行ないました研究所主催のものとは異なり、一五あるプロジェクトチームの中の一つである、アジア研究交流フォーラムが主催ということになっております。このアジア研究交流フォーラムとは、〈アジア・地域研究系〉に属する七つのプロジェクトチーム全体の対外交流システムといえるものであります。このフォーラム自体は研究活動を行なっているわけではありませんが、これからも和光大学がアジアのさまざまな国の研究者と交流を進めたり、あるいはこのように大学の外の研究者をお呼びしてシンポジウムを開催したりといった、アジアに関わるさまざまな取り組みの中心になっていこうと考えております。

本日のシンポジウムのテーマを「中国の近代化と人間」としましたのは、次のようなことに基づいております。中国は近代化によってすさまじいほどの大変な変化をとげており、それは新聞やテレビなどで毎日のように報じられております。しかし一方で、一人っ子政策の問題であるとか、「盲流」といわれる季節的な出稼ぎ労働者の問題、記憶に新しい六四民主化運動弾圧の問題、人口流出の問題などといった、人間や人権に関わる大きな問題が改革開放政策のもとでどうなっているのかと不安に感じられます。そこで人間や人権の問題に焦点を当て、いくつかの切り口からアジアの問題でもあり、世界の問題でもある中国の大問題に迫っていきたいと思います。そして中国近代化が持っている問題点や今後の行方を考えてみたいというのが本日の主旨であります。


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