開会のあいさつ

杉山康彦

 和光大学長

 今日と明日、二日間にわたって「和光大学創立三○年、和光大学総合文化研究所創設記念」ということでシンポジウムを行ないます。学内外から多数お集まりをいただき感激いたしております。

 大学創立三○年を記念して研究所の創設ということになったのですが、研究所をつくろうという声は創立当初、三〇年まえからありました。その後大学紛争という騒ぎのなかで、その話は立ち消えになっていました。しかし、いつまでも紛争にかまけていてはいけない……ということで、ある年から共同研究のための特別予算が組まれ、共同研究プロジェクト・チームを募集しましたところ、たちまち数個のグループの応募がありました。そして一九九一年にこれらのグループをまとめるものとして「和光大学共同研究機構」という組織をつくりましたが、さらに歩を進めて、今年四月から和光大学総合文化研究所を設立しました。

 いまのところ研究所は、共同研究機構のプロジェクト・チームをそのまま引き継いでいますが、現在一五グループ、学内外の研究員のべ一五四名がそれぞれ活溌な活動を続けています。

 研究所は、〈アジア・地域研究系〉〈表象・文化研究系〉〈教育・生活研究系〉という三つの系をたてています。各研究員の独自性を尊重しつつ研究の拡散を避け、さらに集約的に力を発揮するために、これらのグループの組み替えを不断に行なっていく方針です。

 ご案内のチラシにも書きましたが、今日世界も日本も、その文化は根底から揺すぶられています。旧来の学問の枠組みでは、この激動の様相をとらえることは困難です。研究所は各学部、学科のカリキユラムを基盤としつつも、この現実を直視し、その混沌の奥にひそむ論理を、学部、学科の枠を越え、旧来の知のパラダイムを越えて発見しようとするものであり、それを内外に問おうとするものであります。

 大学創立三○年、研究所の創立はたまたま戦後五○年に際会しました。和光大学は戦後五○年の後半、波乱の三○年のただなかを生きてまいりました。それを記念して、研究所の方向を指し示すものとして、「戦後五〇年を考える」という総合テーマでシンポジウムを開催いたします。とくに和光大学、研究所には一つの核としてアジアにシフトするということがあります。今後、日本がアジアのなかでどう生きていくかという将来の問題は、やはり戦後五○年の原点に立ちもどって考えることからはじめるべきだと思います。その意味で、ご熱心な討議が行なわれますことを願っております。


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