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シンポジウム◎イメージと言語


 古今東西、世界にはさまざまな宗教が生まれだし、変貌し、融合し、解体して、地上から消え去ってゆきました。名のみ伝わりながら砂漠に姿を隠した宗教もあれば、数千年の時を超えていまに生きつづける宗教もあります。一言半句も後世に残さなかった宗教もあれば、壮大な教典をさまざまな言語で残している宗教もあります。
 しかし、宗教とは「ことば」です。語りえないイメージを求めつづけ、身もだえするように引き出された言語表現の集積がそこにあります。
 言語を絶する巨大な聖なるものと向きあったとき、人はその体験をどのように語りだすことができたでしょうか。詩的に、象徴的に、あるいは狂気にとりつかれた人の異言のようにしか語ることはできないでしょう。モーセもムハンマドもブッダも、聖なるものと向きあい、その真実を語りだそうとするときには、大いなる躊躇に悩まされたものです。
 このたびのシンポジウムでは、いくつかの宗教の諸相から、内なるイメージと言語との闘争を考えなおしてみようと思います。どのように祈りのことばが生まれ、教典が生まれてきたのか。それを神学はどのように解釈してきたのか、いまもって宗教のことばは謎として私たちの目前に立ちはだかっています。
──リーフレットより



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