和光大学総合文化研究所 公開シンポジウム
民族紛争の現在―日本から考える

 今世紀も幕を閉じようという現在、世界各地で民族間の暴力的な衝突が激発しています。マスメディアをとおして断片的な情報は毎日のように報道されていますが、日本では国内に集団規模での民族紛争が目に見えるかたちでは現れないこともあり、対岸の火事のように受けとめてしまいがちです。しかし一歩踏み込んで考えてみると、あたかもはるか彼方の地域に限定された紛争とも思われる出来事が、日本も含めたさまざまな国家のあいだの多用な関係から生じていること、あるいは近現代の社会状況のもとに成立した「国家」概念の矛盾から問題のあらわれていることなどに気づかざるをえません。こうした状況のさししめす問題群は、現在の状況の分析と歴史的な検証を要求する課題だと思う次第です。
 今回の和光大学総合文化研究所主催のシンポジウムでは、複雑にからみあい、なかなか理解しがたい民族紛争という問題を正面から見据えながら、教育・研究の場としての大学という立場から、さまざまな情報を提供しながら、新たな世紀を迎えるうえで人類が解決すべき最大の課題となるであろう民族紛争をみなさんと一緒に見つめ、考え直し、自分たち一人ひとりの問題ととらえなおしながら、こうした困難をのりこえてゆく道をさぐってみたいと思います。
 もちろん、問題は多岐にわたり、ひとつひとつ事例をとりあげていても、一日二日で語り終えることではありませんから、このシンポジウムでは具体的な事例と歴史的な事例、それをベースにした意見交換とさらに状況を知るための情報のありどころを紹介することで、単発的な報告ではなく、この根本的な問題を持続的に考えてゆくための発信源を産みだすきっかけにしたいと考えます。
 ご多忙中のことと存じますが、積極的なご参加をいただければ幸いです。[参加はすべて無料です]

日時:1998年11月7日(土)午後1時30分より
会場:和光大学 J-301教室
(予約不要、参加無料)

● 報告

民族紛争化するグループ対立―アフガニスタンの現状―
山根 聡 (やまね そう)
 大阪外国語大学外国語学部地域文化学科 助教授 専攻 ウルドゥー語、ウルドゥー文学
 論文に「The Current Situation in Afghanistan」、『アジア太平洋論叢』7号、大阪外国語大学、1997などがある
 → アフガニスタンにかかわる経験を踏まえ、中央アジアの諸民族と国際関係との問題を語る

多国間植民地問題としてのクルド紛争
松枝 到 (まつえだ いたる)
 和光大学人間関係学部人間関係学科 教授 専攻 アジア文化、東西交渉史
 著書に『アジア言遊記』(大修館書店)などがある
 → 歴史の中のクルド民族をとらえなおし、現在状況の矛盾を考える

旧ユーゴにおける民族紛争の背景
江川ひかり (えがわ ひかり)
 東洋文庫研究員を経て和光大学兼任講師 専攻 トルコ近現代史
 論文に「ダンズィマート改革期のボスニア・ヘルツェゴヴィナ」『岩波講座「世界歴史」』第21巻、岩波書店、1998など、訳書にノエルマルコム『ボスニア史』(彩流社、共訳、近刊)などがある
 → オスマン・トルコ帝国の歴史を踏まえたうえで、東欧の民族問題の深層を論ずる

● 討論

シンポジウム 司会 澁谷 利雄 / 松枝 到

▲なお、報告/討論の終了後、ささやかな懇親会の準備をしております。こちらも参加無料です。
会場では言いにくいことでも、自由に語りあえる場を作りたいとおもいます。午後5時半から7時ころまでを予定しておりますので、ぜひともご予定に入れていただきたいと考える次第です。

▲報告者・主題などを急に変更せざるをえない場合もあります。あらかじめご了承ください。

お問い合わせ
郵便等は → 〒195-8585 東京都町田市金井町2160 和光大学 総合文化研究所
電話では → 総合文化研究所 ℡ 044-989-7478/学部事務室 ℡ 044-989-7497


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