マイノリティとは何か―概念と政策の比較社会学―

マイノリティとは何か―概念と政策の比較社会学―
viii+452頁 ミネルヴァ書房 2007年5月刊

本書は、「東京市京橋区」で明治・大正・昭和と貸地・貸家業を営んできた福井家に所蔵されていた「文書」に研究者たちが出会うことからはじまった研究の成果である。「江戸の地霊・東京の地縁」「本湊町建て直し」「生きられたレジャー」「郊外を拓き、郊外に住まう」「川島忠之助のばあい」と論述を展開し、関東大震災や戦火を逃れた二〇〇〇点余の「文書」が伝える史料から、東京という所与の都市空間のなかに生きた人びとのくらしを跡づけるばかりでなく、時代をとらえ、社会を映し出し、〈官〉が伝えない〈民〉のくらしと復興を浮き彫りにする。

目次

    はしがき

     序章「マイノリティ」をめぐる世界―本書の課題と意義― 岩間暁子, ユ・ヒョヂョン

    第1部「マイノリティ」とは何か ―各国におけるとらえ方とその背景― 
     第 1 章 日本におけるマイノリティ―概念の拡散とその社会的背景― 岩間暁子
     第 2 章 日本の法制度におけるマイノリティ 小林正典
     第 3 章 フランスにはなぜマイノリティがいないのか―「共和国」の虚実― 中力えり
     第 4 章 ドイツにおけるマイノリテイ概念と政策―「少数民族」を中心とした意味の生成と変化― 木村護郎クリストフ
     第 5 章 アメリカにはなぜ多様なマイノリティが存在するのか―概念の「拡散」とアファーマティブ・アクション― 岩間暁子
     第 6 章 ロシア・ソ連における「少数民族」―概念変遷の政治社会史― ユ・ヒョヂョン
     第 7 章 韓国・中国におけるマイノリティ対応語とその政治社会的含意 ユ・ヒョヂョン

    第2部 マジョリティ―マイノリティ関係の諸相 ―日本とヨーロッパにおけるあゆみと現状― 
     第 8 章 近代日本文学とアイヌ民族―純血幻想をこえて― 村井 紀
     第 9 章 日系ブラジル人若年層における就労の経験―織り込まれた移住サイクル― 児島 明
     第10章 日本におけるイスラーム教徒の歴史と現在―マイノリティを考察する視点から― 松枝 到
     第11章 「オロチョン・ラーメン」はなぜ辛い?―日露にまたがる、ある「少数民族」のなまえをめぐる社会史― ユ・ヒョヂョン
     第12章 地域語と外国語の間―アルザスにおける「ドイツ語」の教育をめぐって― 中力えり
     第13章 わからないことばとどうつきあうか―ドイツ東部のソルブ語地域におけるマジョリティとマイノリティ言語― 木村護郎クリストフ

     終章 マイノリティ概念の政治社会的背景―日本における民族イメージによせて― ユ・ヒョヂョン、岩間暁子

     資料
     あとがき
     人名・事項索引
このページの先頭へ