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講演会 大学図書館と 公共図書館との対話を
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2004.11.6 講演会報告
同じ地域の、性格の異なる図書館の連携に関心を寄せる、様々な立場の参加者を得ることができました。近隣の大学図書館・公共図書館関係者を中心に、学校図書館関係者、教員など、学内外から
74名
の参加がありました。
講演
はじめに津野本学図書館長より、今回の講演会に際して 「異種図書館間の対話の必要性」というテーマが投げかけられました。
- 大学図書館と公共図書館は性格は異なるが図書館という点では共通している。同じ地域の異質な図書館でどのような協力関係を今後築くことができるのかということについても話していきたい。双方とも予算が少なくなってきている中では、それぞれが自立し閉じこもっていられる状況ではないのではないか。
- 本学では2003年度から貸出を含めた一般公開を開始している。近隣地域には大きな公共図書館がない。大学図書館がそこを補うなど、様々な協力が考えられる。
手嶋氏の講演 「町田市立図書館がめざすもの -政策と諸課題-」によって、連携していく上での前提となる、公共図書館への状況理解を深めることができました。
I 町田市立図書館のサービス理念と目標について
--町田市立図書館のホームページ内で公開されていますのでご覧下さい。
II 町田市立図書館の重点施策について
サービス目標と呼応する形で定めている。
- 図書館の利用に障がいがある人に対するサ-ビス
- 宅配制度の充実
現在の登録数は10人未満だが、超高齢化社会を迎えつつある現在、潜在的な需要は高まっている。その場合には全て職員の手でというわけにはいかなくなるだろう有償ボランティアの力が必要になるであろう。(現在も一部協力を得ている)現在は需給バランスの問題もあり、“家族も含めて来館困難”な利用者に限定してサービスをしている。 - 病院患者図書館の建設
町田市立病院の第二期工事に合わせて床面積訳130m2の図書館を建設する。2008年度開館予定。サービス対象は病院患者およびスタッフで、図書・雑誌・CDの貸出と、インターネットを利用した医療情報の提供などを行う。患者が自分の病気のことを知るのは欧米では当然のこと。現在もいくつかの病院には図書館が設けられているが、公共図書館が独自に運営していくという点では大規模な前例はない。
- 宅配制度の充実
- 児童サービス
- 学校図書館及び学校との連携
公立小中学校全校に図書館指導員(有償ボランティア)を配置している。司書教諭の配置義務もあるが、専任ではなく兼任がほとんどである。専任職員を配置したり、サービス時間を増やしたりすれば効果は劇的に表れるだろう。2002年度には「総合的な学習の時間」が導入された。学校図書館がもう少し充実すればそこで完結する部分もあるだろうが、現状では公共図書館が支援する必要がある。教員に対しても図書館の利用案内を作成・配布しているが、さらに理解を深めてもらえるよう努めなくてはならない。 - 子育て支援
核家族の中では子育てのノウハウが伝わっていないことが多い。相談先の紹介も含め広範な情報を提供している。市のパンフレット類をまとめた「子育て情報支援コーナー」は人気だ。母子手帳を手渡す時や乳児検診など、折にふれて図書館の紹介をするようにしている。今後も市の関連セクションと連携して情報提供していきたい。 - 「町田市子ども読書活動推進計画」の策定
「町田市子どもマスタープラン(策定中)」の中に位置づける。
- 学校図書館及び学校との連携
- 市内の大学図書館との連携
2003年に市内各大学の一般公開等の状況や連携に対する意向調査を実施した。多くの大学図書館では、貴重な資料を別置しているが、和光は開架率が高く、一般の利用者は実際に本を手にとって貸出でき、大変魅力的だ。市民も専門書・貴重書を求めている。 - 地域資料の充実
図書・雑誌はもちろんのこと、行政資料(町田市に限定しない。都や近隣自治体を含む)まで広範にわたって収集している。しかし、それらを体系的に整理するのは難しく、特にチラシやポスターは頭を悩ませている。 - ビジネス支援
大々的に掲げているわけではないがレファレンスの一環として対応している。地域の特性として中小企業や商店が多いので、景気予測や会社に関連する法律などの情報提供サービスが必要である。市の経済振興課や、商工会議所とも連携している。 - 庁内貸出・レファレンス
行政の中で、図書館への信頼を獲得したい。 - 市民文学館ことばらんどの開設
企画展・常設展があって、一度来館したらそれきりになってしまう“博物館型”ではなく、町田で文学活動をしている多くの人の拠点となり、自主的に関われるような、動的な資料館を目指している。既に着工しており、オープンは2006年を予定している。
町田市立中央図書館を紹介するビデオも上映されました
- 図書館全体や各施設の雰囲気がわかりやすく伝えられたほか、朝礼の様子や職員の研修風景も紹介された。
III 町田市立図書館が抱えている課題について
- 都立図書館再編問題
2001年に「今後の都立図書館のあり方」という検討報告書の発表以来、都立図書館の役割が大幅に見直されてきている。現在3館ある都立図書館は、事実上、都立中央図書館1館に統廃合され、来館者へのサービスに重点を移す方針であることから、都から市町村への協力貸出対象外となる資料が増え、利用者に多大な影響が出ている。町田市立図書館では、一連の状況説明と、それに対する自らの見解を述べたパンフレットを用意し、配布している。
※詳細は、町田市立図書館ホームページ内、都立図書館「協力貸し出し」の見直しによる影響についてをお読みください
また、都立多摩図書館が廃棄した5万冊の資料について、多摩地域で共同保存・利用できる方途を模索中である。 - 図書購入費を始めとする資料費の減額
ランニングコストを切り詰めるだけでは限界。サービス水準はキープしたまま、全体の予算の枠組みの中で調整していかなければならない。図書館オリジナルグッズの販売や、広告収入を得るなど、図書館が独自に財源を確保する創意工夫が必要であると考える。 - 著作権問題
利用される本だけ所蔵していればよいということではないので、複本購入に関しては、購入冊数の上限を引き下げた。それを補う形で、予約の取置き期間を短縮し、回転効率を上げている。最近は一定期間待つことを前提とした利用者がほとんどで、クレームは少ない。
試みに、複本購入した本のうち、一組だけ閲覧専用としてカウンターに取置いてみたが、閲覧の希望はほとんどない。閲覧だけでは知る機会を保障したこととは言えない。
公共貸与権の財源を自治体が負担するとなれば購入冊数は自ずと減ってしまう。また、国が負担する場合でも公共図書館未設置自治体も依然として町村で6割以上あり、そこに税負担させるのは理にかなわない。 - 広域相互利用
現在、横浜市・川崎市・八王子市から申し出がある。ただ近くにあるから、というだけで行うのではなく、各図書館が独自に整備計画を持ち、お互いに話し合い、計画して利用しあうことが必要だと考える。自治体はそこの住民にサービスを提供する責任がある。 - 課題解決型図書館への移行 -貸出は飽和状態か?-
浦安市立図書館のように、近くに必ず図書館があるという地域は別だが、町田市などは有効登録者数も30%前後。大多数は読書のために利用されている。「市民の図書館」理念だけでは不充分だが、少なくとも町田市ではまだまだ必要。時代の推移とともに出てくる新規ニーズには、それはそれで対応していく。貸出することも課題解決の一助足りうると考える。必ずしも欧米の事例をそのまま導入することが効果的だとは言い切れない。検証しながら進めることが必要である。 - 図書館は何をするところか?
市民・職員・ともに考える問題である。「情報の迅速な提供」は普遍的な役割。また、本や著者との出会いの場であり、本を読むことの喜びの場でもあり、奥深い、複合した機能を併せ持つ場であると言える。

