教職員から |  2019/04/09

2019年4月5日(金)から7月7日(日)までワタリウム美術館で開催中の『ジョン・ルーリー展』で、総合文化学科・遠藤朋之先生(専門 日英比較詩学)がタイトル翻訳をつとめました。

100点ほどの出品絵画作品のタイトルを遠藤先生が日本語に翻訳しました。

みなさま、是非足をお運びください!



『ジョン・ルーリー展』
■会期:2019年4月5日(金)〜 7月7日(日)
■休館日:月曜日(4/29, 5/6は開館)
■開館時間:11時より19時まで(※毎週水曜日は21時まで延長)
■入場料:大人 1,000円/学生(25 歳以下)800円/小・中学生 500円/70歳以上の方 700円 
 ◆ペア券:大人2人 1,600円/学生2人 1,200円

『ジョン・ルーリー展』(ワタリウム美術館WEBサイト)

 ワタリウム美術館ツイッター




遠藤先生からメッセージが届いています。



 ジョン・ルーリーと言えば、アメリカ映画界の鬼才として知られるジム・ジャームッシュ監督のデビュー作、『ストレンジャー・ザン・パラダイス』や、『ダウン・バイ・ロー』の主役を務めた俳優であり、
ジャズファンにとっては、「フェイク・ジャズ」という、あえて日本語にすれば、「嘘っぽいジャズ」というジャンルを作ったミュージシャンとしても名高い。

 また、ジャームッシュは、今年度、エンドウの「英語を学ぶ」で扱う、_The River of Words_ という絵本の主人公である詩人、ウィリアム・カーロス・ウィリアムズの長篇詩、_Paterson_ からインスピレーションを得た作品、『パターソン』を撮り(日本からは、永瀬正敏が出演)、今年は『ザ・デッド・ドント・ダイ』を公開予定としている、言わずと知れた超大御所映画監督である。

 ルーリー作品のタイトルは、非常に詩的であり、言葉遊びやボケ、皮肉が満載。ぜひとも絵画作品とともに、タイトルも味わってもらいたいと思う。

 こういった詩的な言語の翻訳は、スマホや翻訳ソフトではできない例を挙げておきたい。

 ペンギンのような生き物がバーらしき場所にいる。そのバーの壁には "FUN" の文字。そしてその絵のタイトルは "Fun" だ。もしこれを翻訳ソフトに入れたならば、おそらく「楽しみ」などという訳が返ってくるだろう。これでいいのか?

 場所はバー、飲んでいるはず。そこでタイトルは "Fun"。ならば、このペンギンはいい気分になっているだろう。だが、訳は「いい気分」でいいのか? 飲み屋に「いい気分」という張り紙はあるか? 

 そこでエンドウの選んだ訳は「ゆめごこち」。「夢心地」という漢字表記ではない。酔っぱらっているのに漢字なんて使えるか? そして、飲み屋で酔っぱらっているときに、壁に「ゆめごこち」なんて文字があったら、自分自身を確認しているようで、うれしいではないか!

 "Fun" の訳が「ゆめごこち」、これがベストではないかもしれないが、少なくともそれが、15×8 cmほどのスマホのディスプレイに表示されるだけの「情報」とはまったく違った種類の言語であること、わかってもらえたと思う。どう違うかわからない学生は、自身で考えるべし。

な らば最後に、寺山修司のひそみに倣い、こう書きつけておこう、「スマホを捨てよ、町へ出よう」と。そうして異質力をも超える異端力は醸成される。


総合文化学科 遠藤朋之

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