学長のコトバ |  2017/04/10

本学では、春の日差しの中、4月5日(木)に入学登録が行われました。

伊東達夫学長より新入生に送られた歓迎の言葉をご紹介します。





新入生の皆さん、本日は、和光大学へのご入学、おめでとうございます。教職員一同、心より、歓迎いたします。

今日から、君たちは和光大学の大学生です。大学生として考えねばならないこと、大切と思われることについて、いくつかお話しますので、しっかりと聞いていただきたいと思います。

君たちは、和光大学を選びました。
和光大学とはどのような大学だと考えていますか?大学案内やオープンキャンパスにおいて、いろいろ特色を聞いたことと思います。たとえば、「異質力で、輝く」。和光大学は、一人一人の個性を社会で生きる力、すなわち「異質力」に育てる大学です。また、「講義バイキング」、和光大学は自由選択科目が多く、他学部他学科の講義も履修できます。他にも、「哲学する生活者」という言葉や、現代の課題に切りこむ共通教養科目のユニークな授業など、いろいろな特色を思い浮かべることでしょう。そういう一つ一つの特色の基本にあるのは、「和光大学は、自由な研究と学習の共同体である」という考え方です。今日から君たちは、「自由な研究と学習の共同体」である和光大学の一員になるということです。キーワードは「自由」と「共同体」です。

そこで、第一に、考えていただきたいことは、「自由」という言葉が、どのような意味内容かということです。
言葉自体の意味は、思いのまま、心のままということです。外からの束縛を受けず、自分の意思に従うこと。それは、自分の意見、考えをもち、自分の行動規範に従って行動するという意味とも考えられます。私たちは、「自由」と聞くと、何でもできる、勝手気ままに動くことができる、と考えてしまいますが、「勝手気ままに動く」ことができるのは、自分自身の確固たる考え方があってのことである、ということを忘れてしまいがちです。

たとえば、友達が帰るから、私は授業をさぼって帰る、というのは自由でしょうか。
これは、自分自身の考えによる行動ですが、考えようによっては、単に、流れに身を任せているだけのことです。
このような行動をとる学生の心の内は複雑だと思います。それなりの理由があるかもしれません。しかし、「友達が帰るから」というのでは、自分自身に対しての言い訳にすぎず、大学においてはもちろん、社会に出て、通用する理由にはなりません。さぼることを勧める訳ではありませんが、「さぼって帰る」学生には、確固たる考え、理念のもとに「さぼって」いただきたい。そして、さぼった結果を自ら引き受ける覚悟と責任を持っていただきたい。それが、「さぼることの自由」ではないでしょうか。自分の行動規範を持ちなさい、ということです。

和光大学は、君たちの「自由な学習・研究」を約束します。
君たちには学ぶ自由、何かを探究する自由があります。そして君たちには学ばない自由もあります。
4年間をどのように過ごすかは、君たちの自由です。自由な大学で、4年間、大いに遊ぶぞと考えている人もいるでしょう。わたくしは、君たちに、大いに学んで欲しい、大いに遊んで欲しい、と思います。大学としての言い方をすれば、「学問で遊んで欲しい」です。もちろん学問は、単に書物を読むことばかりではありません。フィールドワークやインターンシップ、アルバイトも勉強です。ブラックバイトもありますので気を付けなければなりませんが、社会勉強として、就職のための経験として大いに活動してほしいと思います。そして、キャンパスの外での活動も自分の学問の糧にしてください。将来自分のお店を持ちたいのであれば、販売員になって、そのノウハウを身に着けることも大切です。将来やりたいことに直結しなくてもいいです。自分の学問形成、人間力の育成に役立つ活動をしてください。学び方は生き方です。4年間、何を、どのように学んだかは、同時に、その後の生き方につながります。
自由とは、自分の信じる道に正面から向き合うことです。君たちは大学生として自由であることを全うする責任があります。自分自身の確固たる信念をもって、本当の意味での「自由な学生生活」を送ってほしいと思います。

そして、もう一つのキーワード、「和光大学が共同体である」とは、君たち学生と私たち教員・職員が、共に協力し合って、より良い学びの場、よりよい研究の場を創っていく、ということです。
和光大学では、大学を構成する一人一人が、それぞれ役割を持って、大学作りに参加します。学生は、お客さんではありません。授業で活躍することはもちろんのこと、サークル、大学祭、地域との連携、国際交流、キャリア形成などの場で、学生が活躍してこそ、和光大学という「自由な研究と学習の共同体」が輝くのです。

「自由な研究と学習の共同体」を創っている学生の活動を少し紹介しましょう。
新入生の皆さんにとって身近な例をあげると、オープンキャンパスの時に、来場者の案内やいろいろなサポートをしている学生がいたことにお気づきでしょう。オープンキャンパス・スタッフに志願した学生たちは、自分たちが和光大学でどのように学んでいるのか、その魅力を伝えたいと創意工夫をこらしてサポートに当たってくれました。
また、この会場の情報保障団の皆さんも、「自由な研究と学習の共同体」を創ることに積極的に関わってくれた人たちです。情報保障団の活動は、聴覚などに不安のある学生にとっては命綱です。情報保障によって、私たち参加者一人一人に参加意識が芽生え、気持ちが通じ合うことになります。ところが実は、今年は情報保障団の人数が少なくて、今日この場で情報保障ができるかどうか、分からない状況だったのです。そこで、学生生活支援を担当する教員、職員からも呼びかけをしたところ、それに応えてくれる学生が出て来てくれました。大学にとって重要な伝統の一部が、今年で途切れてしまうピンチであったのです。今、ここで活動している学生たちは、そのピンチを救い、共同体の今を未来へとつないでくれているのです。
もう一つ、情報保障にかかわる仕事を紹介しておきます。これから君たちは教室で授業中にひたすらペンを走らせノートをとる先輩の姿を見るかも知れません。その隣にはそのノートを見ながら授業に参加する学生が座っていることでしょう。これは、声の聞こえない学生をサポートするノートテイクという仕事です。ノートテイクの講習を受けて活動しています。君たちの中からも、ノートテイクに参加しようという人が現れることを期待しています。
一人一人が自分のできること、やってみたいことを見つけて、積極的に参加する、それによって「共同体」は成り立ちます。

和光大学の共同体は、大学のキャンパスの中だけではありません。昨年度から、地域連携研究センターが発足しました。和光大学の学びの場を地域に広げ、地域の方々とともに活動し学び合い、その学びを地域への貢献と学生の成長に繋げていきます。センターでは、街づくりや地域での防災、教育支援など、学生と共に進める地域活動を企画していきます。近隣の小学校では国際交流、大学の下の田んぼでは一月にどんど焼きが行われています。これにも学生は参加します。竜鼓座という和太鼓のグループが線路の向こう側の町内会に呼ばれて、演奏もしています。
こうしたさまざまな活動に参加することによって、社会性を身につける事はもちろんのこと、実際に目の前に存在する問題に直接触れることができます。教室での学習と地域での活動によって、知識と経験の両方を深めることができるでしょう。

このように、和光大学という共同体では、多様な学生、教員、職員が、日々の学び、研究活動に参加し、従来の壁を打ち破るような試みを実践しています。異なる領域の研究者による共同研究、大学と地域社会とが連携する活動、さまざまなハンディを乗り越えての挑戦、これらはすべて和光大学の、共同体としての挑戦であり、このような取り組みを一層進めることにより、真の意味で、人間社会の幸福と発展の実現に、創造的に貢献できるものと考えます。

さて、ひとつめのキーワードは何だったか、覚えていますか?
「自由」でしたね。
「自由な研究と学習の共同体」は、多様性を重んじ、異質なものを排除しません。自由とは、自分の信じる道に正面から向き合うことですから、和光大学は、君たち一人一人の個性を尊重します。そして、君たちにも共に学ぶ人たちの多様な個性を尊重して欲しいと思います。多様性を受け入れるということは、容易なことではありません。相手を理解し受け入れる。次に、自分のことを相手に理解してもらう。受け入れてもらう。お互いを明確に理解したうえで、お互いの欠点を補いあい、また、長所をさらに生かしながら、共通の目的に向かって行動する。多様な人や文化を理解し、受け入れ、人間社会のネットワークを豊かにして、最終的には、共に行動することによって、創造的な仕事を成し遂げることが可能になる、と思います。共同体として生活するというのは、まさにそういうことではないでしょうか。そこで、「異質力で、輝く」という言葉を思いだして下さい。一人一人の内に秘められた力が、共同体の中で引き出され、社会で活きる力に高まっていきます。大学での四年間、自分自身の内なる力を磨き、それを社会で生きるための「異質力」に高めて欲しいと思います。

この「自由な研究と学習の共同体」で学んだ先輩たちは、輝かしい歴史を作ってくれました。女子サッカーのなでしこジャパンの監督が本学の卒業生であり、U―20のヤングナデシコのメンバーに在校生が入っていることをご存じでしょうか。また、大学には、学長奨励賞という賞があります。様々な活動や研究に優秀な成績をあげた学生に、さらに頑張ってくださいという意味の賞です。これまで、ダンスパフォーマンス、障がい者スポーツ、野球、マーケティングの研究大会での優秀賞、文部科学省が主導する「トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム」に採用されて留学した学生が受賞しました。君たちもそれぞれ内に秘めたる力をフルに活かして、自分にはこのような隠れた力があるんだということを示してください。

君たちが「自由な研究と学習の共同体」の一人として活躍してくれることを、私は期待しています。自分自身の信念に基づく自由を楽しみ、多様な人が集う学びの共同体で個性を磨いてください。
そして、4年後に、和光大学で学んで良かったという言葉をきかせてください。そのために何をすべきか、じっくり考えながら、これからの4年間を歩んでください。

最後になりましたが、本日会場にお越しのご家族の皆様、ご入学、心よりお喜び申し上げます。これから4年間、大学では可能な限り、学習面、生活面などでサポートしていく所存です。
新入生の中には、今日から一人暮らしをされる学生もいます。生活面を含めて、学生支援室を中心にサポートいたします。しかし、大学のサポートだけでは限界がありますし、できること、できないことがあります。そこで、ご家庭における支えは欠くことができません。学生は、学修活動、サークル活動、アルバイトなどで、これまでの生活とは想像もつかないほどの、自由で幅広い活動領域の中で行動します。学生がどのような生活を送っているのか、安全に通学しているのかなど、ご家庭で学生とコミュニケーションを密にとってください。ご家族の支えがあれば、大学としても、より力強く学生をサポートすることができます。そのようなサポートによって、学生の皆さんが、充実した有意義な学生生活を送れますよう、願ってやみません。お力添えのほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。


2017年4月5日  学長 伊東達夫

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