教職員から |  2015/09/04

総合文化学科キャリア支援行事「編集の力とは世界をひらく力」が7月10日(金)に行われました。
酒寄先生、参加学生よりコメントが届きましたのでご紹介します。

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さる7月10日(金)、現役の編集者として活躍している永嶋俊一郎さん(文藝春秋 文春文庫編集部)、
佐藤力さん(ひさかたチャイルド)に和光大学へ来てもらって、座談会をひらいた。
永嶋さんは昨年、『この女アレックス』で大ヒットを飛ばした海外ミステリの目利き、
佐藤さんは本学卒業生で、学生時代から絵本の編集者になることを夢見ていた。
なお、当日はやはり本学卒業生の柴崎大輔さん(JULA出版局)も飛び入りで参加してくださり、
話題はバラエティに富んだものになった。
参加学生たちからは、以下のような質問を事前に寄せてもらい、お三人からは熱い言葉をいただいた。

・編集をする上での楽しみと、アイデアを収集する上でどのようなことをしているか教えていただきたいです。
・一冊の本の編集を携われるにあたって、どれだけの人と関わりがありますか?
・絵本、翻訳された本など、本の種類によって編集の流れは異なるのでしょうか?

参加学生たちから、熱いコメントが届いている。いくつか、ここに紹介したい。

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 以前開催された演劇関係の座談会がとても内容が濃くてよかったという話を聞いていたので、楽しみに行きましたが、いや、とてもとても濃い座談会でした。
 まず、文春文庫の『厭な物語』が企画会議で本命ではなく、いわば数合わせで提案した、ということに驚きました。そして、「アンソロジーはマイナーな作品を選ぶことも多いが、この本で初めて翻訳物に触れる読者もいるだろうから、メジャーなものも入れた」との言葉に常に読者の事を考え、また、新たな読者層を開拓しようとしているのだなと、感銘を受けました。
 それを受けて、ひさかたチャイルドの編集者さんから、「子供向けで怖いというのはあるが、厭、というのはありえない。編集会議では子供に届くかを考え、その後の営業会議で止められてしまうこともある」。しかし、文春文庫では編集会議で決まったものが営業の会議で止められることはない、と聞いて単純に驚きました。
 そして、飛び入り参加のJULA出版局の方から、JULA出版局では金子みすゞなど、絶版にせず長く読み継がれることが目的、と聞き、一口に出版社、編集者と言っても作る本の種類やターゲット層によって編集のスタンスがこんなにも多種多様なのだと気付かされました。
 普段何気なく読んでいる本のあらすじや、表紙、見返しにまで編集者さん、作家さん、画家さんの思いが満ち満ちているのだなと実感できて、一読者として本当に嬉しく、また楽しいひと時でした。
(総合文化学科1年 M・S)

 本日、「編集の力とは世界をひらく力」における座談会において、「出版」や「編集」についてのお話をふんだんに聞かせていただきました。「本」が出版されるまでには沢山の人が関わっていること、そして一人でも多くの人がその本を読むために本がつくられる過程において沢山の作業が行われていることを知りました。読者が子どもを対象とした本であること、日本の読者に向けて翻訳された本であること、本によって読者がその本を手に取るまでの過程は大きく異なりますが、「この本を読んでもらいたい」という沢山の人の想いを担って、本が誕生していることはどの本も同じであることを改めて実感しました。
 また、「本」に携る仕事がどれだけ忙しく、責任があって大変で、でもそれ以上の楽しさがあるものなのかを垣間見させていただきました。惜しみなくお仕事のお話をして下さっている永嶋さん、佐藤さん、しばさきさんの目が終始きらきらしているのがとても印象に残っています。そして、他の方が話をされている時は、ご自身も「学び」の体制で聞いていらっしゃるように感じられ、私も仕事に対して皆さんのような姿勢であり続けたいと強く影響を受けました。
 私は、「本」とは一生関わっていきたいと思っています。「本」には作者及び出版されるまでに携わった人たち一人一人のメッセージが込められていることをしっかりと胸に置き、今後も「本」と真摯に関わっていきたいと思いました。
(総合文化学科4年 Y・S)

 編集者の御三方をお招きした座談会は驚くほど速く進みましたが、濃密な時間を過ごせたと思います。最初は課題図書の一冊でもある『厭な物語』の制作裏話から話題が始まりました。書籍を担当されたナガシマさんによると幼い頃に荒俣宏の怪奇小説の作品集を読んだ時のトラウマを思い出したことがこの本のきっかけだったといいます。そして出版以前の「イヤミス」ブームを「イヤ」に引き戻すことも企画の意図だったそうです。
 次はそれぞれの出版社別に社の特色や業務の内容、企画が一冊の本になるまでの紹介に移りました。その中で興味深かったのはひさかたチャイルドのサトウさんの絵本の子どもへの受容についてのお話です。サトウさんは子どもにとって絵本を読むことは耳で話を聴き、目で絵を視ながら物語を理解することと考え、だからこそイラストや絵本の世界観を重要視していると仰っていました。確かに私も幼い頃は親によく読み聞かせをしてもらっていたのでこれは的を射ていると思いました。またJULA出版局のシバサキさんは絵本を伝えることは根元で世界と繋がっていると仰っていました。
 座談会の最後の方では編集者になるにあたって大切なことは何かという話題になり、いくつも心に留めておきたいお言葉がありました。中でもナガシマさんの「編集をするということは本に対しての恩返しだ」という考えは、編集業を目指しているものとして金科玉条とすべきことだと思いました。
(総合文化学科4年 M・K)


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