学長のコトバ |  2011/10/27


秋になりました。

9月の台風15号で、和光大学のメタセコイアの大木が4本倒れ、
A棟前広場にしばらく横になっていました。
何とも無残であり、これまで和光とともに育ってきた木だけに淋しい限りでした。
振り返れば、今年の春から夏にかけて、
これまでの日本が経験したことにないさまざまなことを、私達は経験しました。
3月から半年、夏からでも四半期経ちました。
この間いろいろな考えやデータが、新聞・雑誌・放送・インターネットに流されました。
その中には私たちの心の線に触れる言葉、イメージなどが、たくさんあったと思います。
そのひとつひとつをどのように「昇華」、あるいは「消化」していくことができるかが、
今後の自分に課せられた大きな課題であると思っています。

少し前のことになりますが、9月15日に前期卒業の卒業証書授与がありました。
15名の卒業生を前にして、私は次のような挨拶をしました。
多少実際の言葉とは異なると思いますが、そこはお許しください。
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本日は、ご卒業おめでとうございます。
おそらく、皆さんは、4年間以上の大学生活を送られました。
それをプラスと考えるか、マイナスと考えるかは人それぞれかと思いますが、
皆さんはいかがでしょうか。

さて、2つのお願いをしたいと思います。
ひとつは、この半年間、東日本大震災という未曾有の状況下で、
さまざまなことを勉強し、体験することになりました。
また、直接、目の前にある勉強と関わりがなくても、
この間の経験はきっと皆さんの心や体のあちこちに残っていると思います。
見聞きしたことをしっかりと受けとめて、大切に心の中に保存して欲しいと思います。
それがなぜ重要なことと言えるのかというわけは、これから先の長い人生のさまざまな場面で、
今回の体験が、あるいは心の中にある映像が浮かび上がってくると思うからです。
皆さんのこの半年間の経験が、血となり肉となって人生の1コマ1コマを作りあげていくでしょう。
同時代に生きる者として、同じ経験をした者として、
血や肉のように身体の一部となったこの半年の経験を、
どのように自分のものとして役立てていくことができるかが、
私たちの大きな責任ではないかと考えます。

ふたつ目に、和光大学が皆さんにとって、ひとつのふるさとになるように願っています。
嬉しいこと、悲しいこと、大変なことがあったときは、ぜひ大学を訪ねてください。
ふるさとは自分の原点です。そこで学んだことは人生の土台になります。
その上にどのような建物を作りあげるかは、これからの努力です。大いに期待しています。
こんな建物を造りましたと見せに来てください。また、いっしょに語り合いましょう。

今日は本当におめでとうございます。
簡単ではございますが、お祝いの挨拶にさせていただきます。

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同じ経験をする、同じ時代に生きているということはそこから逃げられないということだと思います。
冬の暖房はどうするの、災害廃棄物をどうするの、原発をどうするの、町作りはどうなるの、
多くの課題と直面しなければなりません。
そのひとつひとつに責任を負わなければなりません。
責任をはたす形は、それぞれ違うでしょうが、負わなくてもよいということにはなりません。
自分の原点としてのふるさと、郷里、大学から考えて欲しいと思います。

学長 伊東達夫


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