教職員から |  2009/12/02


こんにちは。経済学科の加藤巌です。

 2009年4月から、マレーシア・ボルネオ島で暮らしています。年の瀬を迎えたいま、ボルネオ島は雨期の季節に入っています。
 私と家族は、雨にも負けず、暑さにもめげず、あちこちへ出掛けています。今日は、そんな私と家族が体験した地元のお祭りの様子(バジャウ族のホースライディング)をお話ししましょう。
 10月下旬の気持ち良く晴れた日、コタブル(Kota Belud)というサバ州北西部の町へ行きました。コタキナバル(サバ州の州都)からは車で1時間20分ほどの距離です。
 訪問の目的はタムー(青空市場)とお祭りを見学することです。タムーに関しては、ボルネオ便り4(タムーのはなし)をご参照いただければ幸いです。
ボルネオ便り4はコチラ 

 この日、コタブルは年に一度のお祭り(Tamu Besar=直訳すると大きな青空市)も行われるということで、大勢の人で賑わっていました。お祭りのハイライトは、伝統衣装に身を包んだバジャウ族の男たちが美しく着飾った馬に騎乗し、広場を闊歩するところです。

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▲美しく着飾った馬に騎乗するバジャウ族の男たち

 乗馬している中には、マレーシアの国旗を手に持ち、それを高く掲げながら行進するバジャウ族の男たちもいました。青く澄み切った空に色彩あざやかな衣装と旗が相まって、まるで美しい一幅の絵巻物を見ているようでした。

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▲素晴らしいコンビネーションでした。
 「青空」と「広場の芝生」と「馬の衣装」、「バジャウ族の男たち」

 ちなみに、バジャウ族は船で自由に海上を行き来する「海のジプシー」として知られています。よく「彼らは一生を船の上で過ごす」などとも言われますが、もちろん、陸上で暮らす人たちもいます。

 大きく分けて、サバ州の北部海岸から東海岸で漁業を主として暮らすのが「海のバジャウ」です。一方、西海岸で酪農や農業に従事しながら暮らすのが「陸のバジャウ」です。後者の「陸のバジャウ」の人たちは馬の扱いに優れていることで知られています。「東洋のカウボーイ」などとも別称されているようです。

 ここで、写真の老人たちが頭に巻いているターバンを見てください。先端がピンと持ち上がっていますね。これは、船の舳先を象徴しているのだそうです。バジャウ族の女性が頭にのせる飾りも船を模したものです。

 コタキナバル市内でも民族舞踊などを披露するレストランに行くと、バジャウ族の独特の衣装を着た人たちに出会うことができます。色々な民族衣装がある中で、船の形を模した飾りを頭に載せていることから、バジャウ族のものは直ぐに判別がつきます。

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▲バジャウ族の男たち(頭のターバンの先端は「船の舳先」を表わすそうです)

 バジャウ族は厳格な階級制度を持つとも聞いたことがあります。昔は、王族から奴隷にいたる身分制が敷かれており、階級をまたいだ結婚は認められなかったそうです。また、社会階級ごとに住む場所が決まっていたので、出身の村を聞けば、その人が属する身分が分かったそうです。

 階級を示すものの一つに洋服の色があります。黒がもっとも高貴な色となっています。ですから、いまでも車の販売では黒色の車が良く売れるそうです。

 馬に乗る騎手の衣装を観察すると、見るからに社会的な地位の高そうな(偉そうな)老人が上下黒一色の衣装でした。それ以外の若い人たちなどは鮮やかな色の衣装を着ていました。どの姿を見ても、人馬が一体となった色彩の妙は見事でした。実際、お祭り自体はそれほど派手な演出がありませんでしたが、バジャウ族の美しい乗馬姿を見惚れるといった趣向でした。

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▲美しく着飾ったバジャウ族の若者

 ここから先は、せっかくですから、タムーの様子も紹介しておきましょう。実は、コタブルは刃物や伝統工芸品(編み込みのカゴなど)の優れた産地で有名です。確かに、他のタムーよりも販売されている刃物やカゴの数が多かったようです。凝った装飾のものなどを見ました。

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▲足で刃物を抑えながら、きれいな模様を刻みこんでいます。

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▲市場の中で「バティック」(布地)に絵付けをしていました。

 竹や植物の蔓などで見事に編みこまれた「かご」や「ざる」、「手提げバック」「帽子」も販売されていました。値段は交渉で決まります。私の家族が購入した「買い物カゴ」はサイズ40cm×27cmで、深さは25cm程度、ちょっとした買い物には便利そうです。価格は20リンギ(約540円)でした。

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▲買い物かごは、大きさに従って320円から600円位でした。値段は交渉制です。

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▲「かご」や「ざる」などが、店先にぶら下げて販売されていました。

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▲おばあちゃんたちが売っているカラフルな品は、食事の際、食べ物に被せて、
 ハエなどが寄り付かないようにするものです。まるで、大きな帽子のようですね。
 左側のおばあちゃんの後ろでは、ドラ(打楽器)が売られています。


 ボルネオ島には数多くの民族が暮らしています。島北部のサバ州だけで30以上の民族が暮らすと言われています。言語や文化、習慣も異なります。それぞれの民族が伝統文化や芸術・芸能を代々受け継いでいます。
 こちらで結婚式に出席すると感じることが多いのですが、各民族が独特の慣習を現代風にアレンジしながらも普段の生活の中に色濃く残しています。

 サバ州各地で毎月、異なった民族の伝統文化を紹介するような、お祭りや行事が行われています。これをお読みの皆さんが、もし、ボルネオ島へいらっしゃる機会があれば、事前に興味の持てそうな民族のことを調べて、現地では実際のお祭りに参加することを強くお勧めしますよ。

 今日もご精読ありがとうございました。


★この情報は、経済学科の加藤巌先生から寄せられました。

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