教職員から |  2009/08/04


こんにちは。経済学科の加藤巌です。
2009年4月から、在外研究制度を利用してマレーシア・ボルネオ島・サバ州コタキナバルで暮らしています。今日はマレーシアの国産車(National Car)についてご紹介しましょう。

みなさんは「マレーシア」や「ボルネオ島」にどのような印象をお持ちでしょうか。もしかすると、自然豊かな国、観光地として魅力的と感じる方が多いかもしれませんね。こうしたイメージもマレーシアの一面を示すのですが、一方で、随分と工業化が進んだ国でもあるのです。
 
マレーシアは建国(1957年マラヤ連邦として独立)以来、豊かな天然資源を背景に経済発展に取り組んでいます。とくに1980年代以降は、マハティール元首相のリーダーシップで重工業化政策が進みました。
 
この流れの中で、1985年に国産自動車メーカーの「プロトンProton」社、1993年にも同じように小型車メーカーの「プロドゥアPerodua」社が設立されました。これらマレーシアの国産自動車メーカーには日本の自動車産業も協力しています。プロトン社は三菱自動車が、プロドゥア社はダイハツ工業がそれぞれ技術提携をしています。
 

マレーシアの新車登録台数の推移(1980年―2008年)

gragh.JPG
出所:マレーシア自動車協会(MAA統計資料)
http://www.maa.org.my/info_summary.htmより作成


マレーシア自動車協会(MAA)の発表によると、2008年のマレーシア国内の新車販売台数は年間548,115台(商用車50,656台を含む)だったそうです。このうち「プロトン社」と「プロドゥア社」の2社だけで市場の6割近くを占めたようです(下図参照)。

マレーシアの自動車メーカーの新車市場シェア(2009年6月)

graph2.GIF
出所:マレーシア自動車協会(MAA) 23 July 2009 Press Conference資料
「Market Review for 1st Half 2009」より作成

 
2009年6月時点でマレーシアでの新車売り上げ上位は、1位はプロドゥア(30.7%)、2位はプロトン(27.1%)、3位トヨタ(14.9%)、4位ホンダ(8.2%)、5位日産(6.0%)、6位Naza2.6%、7位三菱自動車1.2%などとなっています(MAA; 23 July 2009 Press Conference資料「Market Review for 1st Half 2009」)。この内Naza社はマレーシアの自動車関連や都市開発関連の企業グループが韓国自動車メーカーの「起亜」を自社ブランドで販売しているものです(国産車の認定を受けています)。また、MAAの予測によると、2009年はマレーシアの新車市場は50万台程度に減少するだろうとのことです。
 
いま、わたしが暮らしているコタキナバルも市街地には溢れるほどの車が走っています。市内のどこに行っても駐車スペースがあり、多くの人が車を主要な移動手段としていることが分かります(公共交通機関の整備が遅れているとも言えます)。

kota-city.JPG
ビルが林立するコタキナバル市街地中心部
(1階が商店。上層階は住宅。店舗前と地下が駐車場)

 
走っている車を見ると日本車以外にも「現代」「起亜」などの韓国車、「メルセデスベンツ」などのドイツ車といった輸入車が多いことに気付きます。実は、マレーシアでは輸入車に対する「関税」と「物品税」が高いので、輸入車の販売価格はびっくりするほど高額です。例えば、100万円の日本車を輸入して買う場合、マレーシアでは200万円を支払う必要があると考えていただければ良いでしょう。
 
そこで、国産車が比較的よく売れるわけですが、その中でも人気ナンバーワンはプロドゥア社が販売している「マイヴィMyvi」という小型車(1000〜1300CC)です。同社の宣伝ではマレーシアで過去3年間にわたって最もたくさん売れている車だそうです。

myvi1.JPG
プロドゥア社の人気車種 Myvi

 
確かに「マイヴィ」はよく見かけます。場合によっては、スーパーの駐車場に様々な色のマイヴィが並んでいるなどということもあります。この車はデザインとカラーリングが良いせいか、女性にも人気が高いようです。
 
実はわたしも4月に購入しました。「新車を買うなんて贅沢だ」などと言わないでください。マレーシアの中古車は新車価格が高いこともあって、なかなか高価です。また、車検制度がないのでボロボロの車も市内を走っており、そうした車が中古車市場に出てくることもあります。そこで、中古車価格とボロボロ度の折り合いが外国人のわたしには判断がつかないと思ったわけです。
 
さて、マイヴィに実際に乗ってみると、乗り心地はまずまずです。これまでのところ軽快に走ってくれています。小回りが良いので街乗りには最適です。先日、郊外まで調査旅行へ出掛けた際の高速走行も安定していました。ちなみに、郊外に出ると一般道の制限速度が90kmになったり、市内近くでも70kmだったりと、日本よりも走っている車が"速い"ことを体感しています。
 
先ほど、車検はないと書きましたが、新車を購入すると自動車会社の整備工場が安価な費用で定期検査をしてくれます。わたしの場合は購入1ヶ月後に基本検査とオイル交換で3600円ほどでした。整備工場は技術提携先のダイハツの工場でした。
 
そうそう、みなさんも気になっていらっしゃるでしょう、新車価格ですが、以下のとおりでした(排気量や装備の違いよって価格には差が出ますから、おくまでも一つの目安としてお考えください)。価格は1マレーシアリンギを28円で換算しています。

myvi2.JPG
Perodua Myviの価格
1300CC・オートマ車・ブルーメタッリク色・エアバックなし・エアコンあり・ラジオとCDあり
○車両本体価格 1,326,385円
○道路税      11,200円
○登録費用     1,568円
○ナンバープレート 1,120円
○保険 31,816円
合計 1,372,089円
 
上記のように新車購入に関わる費用は約137万円だったわけです。同様の輸入車に比べると随分とリーズナブルですし、最近は円高が進んでいるので、とくに日本人のわたしには割安感がありました。仮に昨春のような円安(1リンギ=33円)だと、上記の価格も162万円ぐらいになってしまいます。
 
また、今回は私が新車を入手するまで1週間ほどでしたが、人気車種ということもあり、場合によっては1ヶ月待ちなどということもあるそうです。
 
現在わたしが在籍するサバ大学近くのガソリンスタンドでは、ガソリン価格は1リットルが約50円です。ここ数年で値上がりが激しいのですが、それでも日本に比べて安上がりです。
 
マレーシアへ旅行でいらっしゃる方には、レンタカーを借りる際、使い慣れた日本車ではなく、思い切ってマレーシアの国産車を借りて、その乗り心地を確かめてみることをお勧めしますよ。
 
★この情報は、経済学科の加藤巌先生から寄せられました。

★「加藤巌先生のボルネオ便り1」はこちら。
 http://www.wako.ac.jp/blog/index_univ/1347.html
 

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